Spotify(スポティファイ)というサービスを聞いたことがありますか?
Spotifyは世界で1億人以上のユーザーを要する、世界最大級の音楽配信サービスです。無料版でも曲が全曲再生できるという驚きのサービスです。洋楽、邦楽合わせて5,000万曲を楽しめるので、非常に太っ腹です。
この記事では、実際に使ってみて感じたSporifyの特徴や魅力をお伝えしてきます。
Spotify(スポティファイ)とは?
Spotifyとは、2008年にスウェーデンで開発された、世界最大手の音楽ストリーミング配信サービスです。他社に先駆けて、歌詞表示機能をつけたりと、常に音楽配信サービスの業界をリードしています。
- Spotifyの概要
Spotifyは、経営理念として「海賊版の撲滅」を掲げています。そして、海賊版などの不法ファイルの共有ソフトよりもはるかに便利なサービスを提供し、不法ファイル共有を減らしてきました。
日本では、遅れて2016年9月からスタートしました。その理由についてSpotifyは、「日本上陸のための準備期間だった」と答えています。日本の音楽文化が独特なので、市場調査に4年もの時間をかけていたそうです。
日本ではサービス開始から日が浅いためか、邦楽は他の音楽配信サービスに比べると少ない印象です。
Spotifyが成功した3つの経緯と理由
かつて、iTunesが成功を納めた時でさえ、音楽市場は「合法ダウンロード5%」に対して、「違法ダウンロード95%」という絶望的な状態でした。
現在、Spotifyが多くのユーザーを獲得できたのは、iTunesがとりこめなかった95%もの違法ダウンローダーを魅了したためと言われています。
なぜSpotifyは、違法ダウンローダーの心をつかんだのでしょうか?
ここでは、Spotifyが正解中で人気になった経緯や、他の定額制音楽配信サービスを凌駕している理由を説明していきます。
1.遅延のないストリーミング再生でダウンロードよりも手軽になった
Spotifyの創業者であるダニエル・エックは、ファイル共有の定番ソフトを開発している企業でCEOをしていたほどの優秀なエンジニアです。その時のノウハウがSpotifyに活かされており、「音楽ファイルのダウンロードを不要」にした点が革新的でした。
iTunesがもてはやされていた2010年頃、音楽は一度パソコンにダウンロードしなければ快適に楽しむことはできませんでした。その理由は、ダウンロード無しに音楽を聴く技術「ストリーミング」が、再生ボタンを押してから数秒、時には数十秒待たなければならなかったからです。当時は、遅延するので使えなかったということです。
そんな中、Spotifyは、無料インターネット電話サービスのSkypeと同じ「P2P」技術を使って、全く遅延のないストリーミング再生を実現しました。これにより、ダウンロードする必要がなくなったので、違法ダウンロードする手間を省くことに成功したのです。
2.フリーミアム+広告収入というビジネスモデルを作り出した
ダウンロードする手間を省くことに成功したSpotifyは、ラジオ業界の広告モデルと定額サービスを組み合わせたビジネスモデルの構築にも乗り出します。
ラジオ業界の広告モデルとは、音楽が流れている合間に広告を流すことで、ユーザーは無料で音楽を楽しめる収益構造のことです。ダウンロード型では実現できなかった広告モデルが、ストリーミングに遅延のないSpotifyだからこそ、実現できました。このモデルを武器にSpotifyは圧倒的な成功を納めます。
これにより、今までの定額配信サービスは1ヶ月ほどの無料期間を用意するのみでしたが、Spotifyは一切お金を払っていなくてもストリーミングで音楽を楽しむことができるようになりました。
しかも、ユーザーはお金を払っていなくとも、Spotifyには広告収入が入り、楽曲提供をしている音楽レーベルにもちゃんとお金が入るようになりました。
つまり、Spotifyは無料会員からも売上を上げられるビジネスモデルを作り上げることに成功したのです。
3.「Facebookミュージック」とまで呼ばれ、世界最大の音楽配信サービスに
2011年頃、Facebookは1日に5億人以上のアクティブユーザーが使うようになっていました。しかし、創業者のマーク・ザッカーバーグはFacebookに大きな魅力が欠けていると考えていました。それが「音楽」です。
当時のFacebookで、ゲームと並び圧倒的人気を集めていたのが、音楽アプリです。「友達とシェアすること」を、ユーザー価値とするFacebookでは、「音楽が人々といかに共有されるか」を体感するきっかけになったはずです。しかし、Facebookの音楽アプリ1位のiLikeは、ライバルであるMySpaceに買収されてしまったことでFacebookから姿を消すことになります。
そこで白羽の矢が立ったのが、すでにヨーロッパで成功を納め始めていたSpotifyだったのです。SpotifyとFacebookを連携すると、友達が聴いている音楽がタイムライン上に流れてきます。それをクリックすれば、Spotifyのお得意のストリーミングで、瞬時に音楽が流れる仕組みです。ちなみに、楽曲はフル再生されます。
Facebookらしい共有機能で、ユーザーはさらにFacebookを使うようになり、Spotifyもダウンロードし始めました。現在では、Spotifyの会員は有料会員のみで5,000万人を超えています。
Spotifyは、遅延のないストリーミングで、音楽レーベルの喜ぶ収益を稼ぎ出し、世界一のSNSでフル再生を可能にしました。違法ダウンロードは、すでに必要なくなったと言っても過言ではないでしょう。ダニエル・エックが、創業当時に抱いた「海賊版を撲滅したい」という想いは実現されました。
Spotifyの3つの魅力
魅力①:無料版でも5,000万曲をフルで聴ける
Spotifyの最大の特徴のひとつは、無料版でも曲がフルで5,000万曲聴けることです。
PC、タブレット版だと好きな曲を好きな順で聴けますが、スマホ版はシャッフルモードのみでしか再生できません。
なお、30日間で15時間までという制限があり、制限時間を超えると一切再生出来なくなります。
途中で広告が流れますが曲の途中で入るのではなく、曲と曲の間に入るだけなのでラジオCMのような感じでした。
魅力②:操作が直感的でわかりやすい
先ほどもお伝えした通り、Spotifyは不法ファイル共有よりはるかに便利なサービスを目指してきました。そのため画面の操作が直感的でわかりやすいです。
魅力③:新しい曲に出会える機能が多い
Spotifyは、日々新曲を追加しています。そんな新曲たちに出会えるように、ラジオ機能、ニューリリース、最新のチャートなど、自分の知らない新しい曲に出会える工夫・機能が満載です。
2つの料金プラン「Spotify Free」「Spotify premium」
Spotifyには無料版の「Spotify Free」と有料版(月額980円)の「Spotify premium」の2つがあります。両者の違いは以下の通りです。
Spotify Free (無料版) |
Spotify Premium (有料版) |
|
---|---|---|
シャッフルプレイ | 〇 | 〇 |
スキップ再生 | △ | 〇 |
曲の選択 | × | 〇 |
高音質再生 | × | 〇 |
オフライン再生 | × | 〇 |
広告非表示 | × | 〇 |
なお有料版にはトライアル期間があるので、「有料版はどんな感じか知りたい」という人は試してみても良いでしょう。
Spotify Premiumのトライアル期間
Spotifyには「アプリから登録する7日間無料トライアル」と「ブラウザから登録する30日無料トライアル」の2種類があります。
アプリからの7日間無料トライアル
アプリからの登録だと、クレジットカードの登録なしで7日間プレミアム版を試せます。7日間と短いですが、クレジットカードの登録をしていないので、終了後に自動課金される心配がありません。
ブラウザからの30日間無料トライアル
アプリではなく、ブラウザ経由でトライアルに申し込むと、30日間の無料トライアル(現在は60日トライアルのキャンペーン中)を試すことができます。しかしクレジットカードの情報が必要になり、30日後に自動課金されますので、その点は注意です。
まとめ:定額音楽配信サービスのすゝめ
現在、音楽業界ではダウンロード型からストリーミング型が主流になってきており、この流れは今後もより一層強まると思われます。
この月額固定料金で音楽が聴き放題の「定額音楽配信サービス」は、Spotify以外にもAppleやGoogleも提供しており、競争も激化しています。
その中でもSpotifyは無料版でも全5000万曲を楽しめる秀逸なサービスです。そして、自分の好きな曲を聴くだけではなく、新たな曲と出会い、音楽を遊ぶ新感覚の世界を楽しめます。
まだ使ったことがないという方は、この世界基準の音楽体験を試してみてはいかがでしょうか。
なお、Spotify以外の音楽配信サービスに興味がある人は、以下の記事も読んで見てください。