本の要約アプリ「flier」なら移動時間が資産に変わる!開発者へ独占インタビュー

更新日:2020/02/01
公開日:2018/12/25

「もっとたくさんの本を読み、勉強したい」
「話題の本が多すぎて、どれを読めばいいかわからない」
「本を買ったけれど、自分の感覚に合わず最後まで読み進められなかった」
あなたは、こんな気持ちになったことはないでしょうか。

本には、先人たちが築き上げた知恵がたくさん詰まっています。しかし、日常的に読書の時間が取れず、先人たちの知恵にアクセスできない。そんな現代人の強い味方が、本の要約アプリ「flier(フライヤー)」です。ビジネスに役立つ本の内容を効率的につかめると、すでに30万人以上に利用されています。

今回は、この「flier」を開発した、株式会社フライヤーの代表取締役・大賀康史氏に取材しました。

「flier」発足の経緯やどんなユーザーが使用しているのか、どのように本を選び要約しているのかという話から、本を読むことの価値、さらには「flier」をビジネスに活かしていくための考え方まで伺いました。

「効率的に知識を身につけて、活躍の場を広げたい」というビジネスパーソンに必見の内容です。

株式会社フライヤー 代表取締役 大賀 康史(おおが やすし)様 Profile
1978年東京都生まれ。2003年に早稲田大学大学院(理工学研究科)修了後、アクセンチュア株式会社の製造流通業本部に入社し、プログラミングなどを含めたシステム開発に従事。約3年後に同戦略グループに転属して経営コンサルティングに携わる。
その後、”企業再生”の領域に踏み出すためフロンティア・マネジメント株式会社に転職。2013年6月に株式会社フライヤーを設立。1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」を運営。
著書に『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)、『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)。

flier

雑談から始まったアイデアが会員数30万人以上のサービスへ成長

>はじめに、フライヤーのサービスを開始した経緯を教えてください。

私を含めた3 人の創業メンバーは、前職のコンサルティング会社の同僚なのですが、皆本好きで日頃からよく雑談をしていました。

その当時は、終日仕事に追われ、知識の獲得やトレンドの把握に十分な時間が割けない状況でした。プロジェクトとプロジェクトの合間に、1週間ほど休みを取り、本を20冊ほど買い溜めして図書館にこもって読んでいたこともあります。

そのような中、いつもの雑談の中でふと「最先端のビジネスパーソンが求める本の要約が、スマートフォンなどの端末で読めるサービスがあったらいいね」という話になりました。これが「flier」のアイデアを得たきっかけです。

アイデアに可能性を感じたこともあり、「もっと話を詰めてみよう」と再び3人でディスカッションをしました。3日後には、上司に「会社を辞めて3人で起業をしようと思っています」と相談を持ちかけていました。それからは、自分たちが考えている以上のスピード感で話が進み、翌週には上司が背中を押して送り出してくれる中、退社。退職しておよそ1カ月後に、株式会社フライヤーを設立しました。

>社名の「flier」の由来はなんでしょうか?

「flier」とは英語で、「急行列車」や「空を飛び回るもの」を意味します。「スタートアップとして起業して、そのような運営を心がけよう」という自分たちの想いと、「世界中を飛び回って活躍するような輝くビジネスパーソンを増やしたい」という願いを込めて選びました。

>「flier」を導入している企業は、どのような業界が多いですか。

業界はさまざまですが「人の能力やスキル、エンゲージメントが企業の力そのものになる」という考え方に共感してくれる企業が、「flier」を使ってくれているのだと感じています。

どのような人材が集まっているかで、企業の価値は決まります。便利な世の中だからこそ、機械にはできない人間ならではのアイデア溢れる活動に貢献したいですね。

世界一の投資家であり、仕事時間の8割を読書にあてている読書家としても知られているウォーレン・バフェット氏は、「毎日、書物を500ページ読破しなさい。書物を読むことで知識は複利のように積み重なっていきます。誰でもできることですが、ほとんどは人はやらないでしょう」と言っています。

本は人の知識を豊かにしてくれます。さらに、読書の体験を積み重ねていくほど知識の深みが増していくので、「flier」がそのお手伝いができたら嬉しいです。

>「flier」で要約されたことにより、本の売上が減ってしまうことはないのでしょうか?

多くの出版社の方から「要約した書籍の売上が上がっている」とご報告いただいています。「flier」はデパートの試食のような立ち位置です。例えば400ページある書籍でも約5ページに要約します。本の全ては伝えられませんが、その本の特に学びがある点を中心に構成しています。

要約を気に入った人は多くの場合、その書籍を購入するので、書店・ECサイトのいずれにおいても売上はアップしているようですね。

数多くの本が出版されている中で、実際にその本を買うためには「SNSや口頭での口コミ」が重要です。flierはそのための重要な役割を果たしていると評価されています。

>要約する本は、出版社さんのオススメの本を取り上げていらっしゃるのでしょうか?

第三者として読者視点で最適な本を選んでいます。本を選ぶために事前に出版社の方々から近日中に出版される本について、教えていただいています。ただ、あくまでもそれは参考情報です。

具体的には「flier」で取り上げる本を選ぶにあたり、経営者・ビジネスリーダー・大学教授・出版社営業・書店員などから構成される「選書委員会」を設けています。

委員会メンバーは、月に2回、「ビジネスパーソンがいま読むべき本」というテーマで真剣に議論をします。

「第一線で活躍するビジネスパーソンのニーズに応えられる本」ということが要約する本を選ぶ上で、最も大切にしていることです。

なんとなく浪費していた時間を知識という資産に変える「flier」の魅力

>コンサルタントの時代から、本をたくさん読まれていた大賀社長ですが、その理由を教えてください。

私自身が本好きだからですね。本を読むことで将来にわたって〝価値ある情報〟を得られると考えています。本には、「先人の一生ものの知恵」が凝縮されていると言っても過言ではありません。

情報のソースは本だけではなく、新聞やテレビのニュースなどもあります。新聞やテレビのニュースは最新情報を届けてくれますが、たとえば「円高になりました」という情報は、翌日には価値がなくなってしまいますよね。

それに対して、本は半日で著者の人生のハイライトや長い年月をかけて見出した知恵がわかる情報収集手段として効率のいい媒体です。しかし、現代ではスマートフォン普及の影響もあり、電車の中で新聞や本を開く人は10年前の10分の1くらいになっている気がします。

「flier」のユーザーの8割は20~40代なので、まさに働き盛りの人たちです。そんな働き盛りの人たちの皆さんがスマートフォンに触れるとき、「時間を有効活用できた」と感じられるような役立つ情報を届けていきたいですね。

>忙しいビジネスパーソンが、「flier」を手軽に使えるように、どんな工夫をされていますか?

「本の要点」を1ページ目にまとめて、ユーザーが短時間で必要な情報を得られるようにしています。また、要約は音声で手軽に聞くことも可能です。


要約の品質には最もこだわりを持っています。ライターはその分野を熟知した経験豊富な方々です。たとえば、ビジネス分野ならその領域に詳しい方、歴史なら歴史の研究者というような体制です。さらに、出版社の編集者など実際に紙の書籍の出版に携わった経験のある人で編集チームを構築しています。フライヤーで編集まで終えた要約は、その本の編集者・著者に最終確認をお願いしています。本の作り手の方々の目で見ていただいて、やっと要約が完成します。

日本で1年間に発売されるビジネス書は約6,000冊ありますが、1冊を読み終えるのに4時間前後の時間が必要なことが多いのではないでしょうか。ニュースや雑誌にも目を通すことを考えると、全ての本を読破することは現実的ではありません。

それに対して「flier」では、1つの要約記事を読み終えるのに必要な時間は約10分間です。忙しいビジネスパーソンでも、厳選された本の情報をキャッチできます。「flier」を使えば、なんとなく浪費していた合間の移動時間が優良な知識という資産に変えられます。

>移動時間が知識に変わるというのは、嬉しいですね。ちなみに、「書評」と「本の要約」の違いはなんでしょうか?

書評というのは、言い換えれば、「本を読んだ感想」。言い変えれば、読書感想文のようなものです。それに対して、「本の要約」とは、本の著者が伝えている内容の要点をまとめたものです。

つまり書評は本の読者としての主張が中心ですが、要約では著者の主張を忠実に表現できます。したがって、書評と要約は全く性質が異なります。

>知識を得ることにより、どのような結果が得られると思いますか?

良質な知識をインプットしていれば、多くの問題や課題も解決しやすくなります。

私が出会った一流の経営者の方々で、インプットの努力を怠っている人はいません。インプットの手段として本が選ばれることが非常に多く、仮に本を読まない人でも、インプットのために常に努力をしています。本などで得た知識の融合が、次の事業のヒントになっています。

ジョン・メイナード・ケインズと並ぶ、20世紀の代表的な経済学者ヨーゼフ・アリス・シュンペーター氏も、「イノベーションとは『新結合』である」という名言を残しています。つまり、一見斬新な事業アイデアに見えていたとしても、実際は既存のサービスやコンセプトの新しい組み合わせで創出されるものが大多数ということです。本という存在は、これから新しいビジネスを作っていきたい人の力に間違いなくなってくれるでしょう。

今後はアプリからリアルな読書コミュニティへ

>本の知識を身につけて活用するためには、どんな方法が有効でしょうか?

興味のある内容についての本を読むことが大切です。興味がある状態だと脳からドーパミンなどが分泌され、記憶力と思考力が格段に上がるそうです。そのため、興味のない本を無理して読むよりも、まず興味を持っている内容の本から入っていくことが正しいアプローチだと考えています。

本を読んだあとに誰かとシェアをすることもオススメです。ビジネス書である以上、記憶に残すだけでなく、アクションに繋がって初めて価値が表れると思います。

>読んだ本について、他人と話すのは楽しそうですね!

はい。実際に私も、SNSに感想を投稿することがあります。そこで、コメントをもらえたり、コメントをくれた人とディスカッションしたりすると楽しいですし、知識の定着にもいい影響があると感じています。

弊社では、要約を活用した読書コミュニティを企画しており、2019年の春頃、正式にスタートをする予定です。気軽に参加できるのに、価値観や生き方にまで示唆が得られるような場にします。すでに体験会の募集を開始していまして、2月に第一期生を正式に募集する予定です。

知識を得るという意味で、読書は非常に有効な手段です。さらに、読書には、娯楽としての要素もあります。なので、本が好きな人たちが集まれる場を作れたらと思っています。

進化し続ける「flier」の今後のビジョンとは?

>「flier」を通して、社会や個人に対してどのような影響を与えたいと考えていますか? 今後のビジョンと併せて教えてください。

「flier」は、弊社のミッションである〝ヒラメキ溢れる世界を作る〟をストレートに表現できているサービスなので、ミッションの実現を追求していきたいです。より多くの人に届けていくため、今後はアジアへの展開も視野に入れています。

人に影響を与えるというよりは、「本を知的に楽しむための接点を提供したい」と考えています。その中で、設立当初から大切にしている以下の「三方良し」です。

flierが大切にする「三方良し」
  • 読者・ユーザー:要約を読むことで、自分にとって必要な本を知ることができる/幅広い本に興味関心が持てる
  • 著者・出版社:新刊本、既刊本のPRができる/気軽に触れられる要約により読者層が拡大できる
  • 書店・取次・ECサイト:要約を読んだ人やその人からの口コミに接した人が書籍を購入することで、売上の拡大に繋がる

「読書が楽しい」という感覚から、自分の知識が広がり、新しいアイデアのヒラメキが生まれることがあるでしょう。この「楽しい」からヒラメキが生まれるキッカケに「flier」がなれればと思います。

【編集後記】

本は、価値ある情報が凝縮されているからこそ、読むのに時間を要してしまいます。それゆえ、忙しい人は本の情報をインプットしづらいものです。社会全体の情報量は増えても、社会の1日は24時間のままですからね。

「flier」はこの問題の解決してくれるため、忙しいビジネスパーソンの強い味方になってくれます。私も「flier」には、毎日お世話になっています。

取材を通じて、「flier」で得られた知識は、読者のそれぞれのフィールドでヒラメキをもたらすキッカケになってくれると感じました。

「flier」は、今なら有料版を30日間無料でお試しできますので、この機会に本の要約を体験してみてはいかがでしょうか。

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この記事の投稿者
上村 菜穂(うえむら なほ)
20代女性向けの集客やPRが得意なライターとして学生時代からフリーランスとして独立。14歳でメールマガジン20,000人・恋愛部門1位を取得。歴代最年少記録。これらの経験を活かし、ライターのほかにも女性起業家のPR指導者として活動中。

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