※2020年9月30日をもって、格安SIMのリアルタイム通信速度比較ツール「SIMW」はサービス終了いたしました。これまで長い間ご利用いただきありがとうございました。
代わりに2020年4月3日に公開したSIMWで取得した通信速度データを分析した記事を置いておくので、参考にして下さい。
通信速度が速い携帯会社はどこだ?
この記事では、SIMWで得られた30万以上のデータを100枚のグラフにまとめて、主要格安SIM6社・サブブランド2社+大手携帯3社の計11社の通信速度を比較・分析していきます。
SIMWとは?「SIMW速度比較レポート」調査結果の概略
SIMWではこれまで、以下11社の通信速度を計測しており、本レポートでもこの11社の速度を比較していきます。
- SIMWで計測しているSIMカード
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- 大手キャリア:docomo、au、SoftBank
- サブブランド:UQ mobile、Y!mobile
- MⅤNO :LINEモバイル、IIJmio、mineo、OCNモバイルONE、楽天モバイル、BIGLOBEモバイル
※MVNOは全てドコモ回線
※楽天モバイルはMVNOサービス
記念すべき第一回「SIMW速度比較レポート」の調査条件は以下の通りです。
- 「SIMW速度比較レポート」調査条件
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- 対象日時 :2019年4月~2020年1月
- 調査場所 :東京都新宿区
- 使用端末 :iPhone 6s
- 測定回数 :約2.8万回/各ブランド
上記期間に取得した計30万以上のスピードテスト結果のデータを100枚のグラフにまとめ、以下の点から各社の速度を比較しました。
- 「SIMW速度比較レポート」比較項目
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- 【下り】&【上り】通信速度(平均値)
- 【下り】&【上り】実効通信速度(中央値)
- 【下り】&【上り】月別の速度推移
- 【下り】&【上り】時間帯別の速度変化
調査結果の総評は以下の通りです。
- 「SIMW速度比較レポート」調査結果の概略
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- 【下り】は平均値・中央値で「SoftBank」が最速
- 【上り】は平均値・中央値で「au」が最速
- MVNOの中で【下り】が高速なのは「OCN モバイル ONE」
- MVNOは昼(12時台)に速度が極端に低下する
- サブブランドは大手3キャリアに遜色ない通信速度
- MVNOと大手3キャリアの通信速度には大きな格差があった
- 「au」と「UQモバイル」は若干auが勝るが速度に大きな違いは無い
- 「SoftBank」と「Y!mobile」の速度はほぼ一緒
- サブブランド「UQモバイル」と「ワイモバイル」の速度は拮抗
※SIMWで計測した速度の絶対値は、他のスピードテストアプリや速度計測サイトよりも低めに出る傾向があります。なので「絶対値」よりも「各社の比較」という観点に注目して、以下「SIMW速度比較レポート」をご覧ください。
調査結果(全比較)
ここでは、大手携帯キャリア・サブブランド・MVNO全11社をまとめて比較していきます。
【下り】通信速度ランキング(平均値)
以下のグラフは、【下り(ダウンロード)速度】の全データの平均値を比較した図です。
1位はSoftBankで13.1Mbpsとなりました。ただ、大手携帯キャリア3社「ドコモ」「au」「ソフトバンク」とサブブランド2社「Y!mobile」「UQ mbile」は、どれもほとんど差が無いという結果に。
一方で、大手キャリア・サブブランドとMVNO(格安SIM)の間には明確な差が見てとれます。格安SIMの中では「OCN モバイル ONE」が頭一つ抜き出ているようです。
【下り】実効通信速度の比較(中央値)
以下のグラフは【下り】の実効通信速度を比較した図です。中央値が速い順に並んでいます。
先ほどの平均値と中央値で順位に若干違いがありますが、大きな傾向としては変わりません。
実効通信速度では、平均値だけでは分からない(速度)データの分布が分かります。総務省が大手携帯3社に義務付けている速度の開示でも、この実効通信速度が使われています。
実効通信速度は箱ひげ図で表現されます。箱ひげ図は今後もたくさん出てきます。箱ひげ図の見方は以下の図を参考にして下さい▼
実効通信速度データは以下の通りです。中央値の速い順に並べています。
【Mbps】 | 最遅値 | 25%値 | 中央値 | 75%値 | 最速値 |
---|---|---|---|---|---|
SoftBank | 0.7 | 10.4 | 12.7 | 15.2 | 30.0 |
Y!mobile | 0.2 | 10.2 | 12.3 | 14.7 | 30.3 |
docomo | 0.2 | 9.2 | 12.3 | 15.9 | 39.6 |
au | 0.8 | 11.1 | 12.0 | 13.1 | 29.4 |
UQ mobile | 0.7 | 10.6 | 11.6 | 13.0 | 35.1 |
OCNモバイル | 0.1 | 4.4 | 7.8 | 10.3 | 22.1 |
IIJmio | 0.1 | 2.7 | 6.5 | 8.2 | 27.4 |
mineo | 0.1 | 3.6 | 6.1 | 8.3 | 15.4 |
楽天モバイル | 0.2 | 2.5 | 5.2 | 8.6 | 26.7 |
BIGLOBEモバイル | 0.2 | 1.5 | 4.6 | 8.8 | 25.0 |
LINEモバイル | 0.1 | 0.9 | 2.1 | 8.6 | 21.3 |
※▲▼で並べ替えられます。
※各値の最速値を青塗りにしています。
中央値ではSoftBankが最速でしたが、最遅値・25%値ではauが最速、ドコモは高速側(75%値・最速値)で最速となり、大手3社でトップを分け合う形となりました。
一般的にモバイルの通信速度に関しては、高速側が速いよりも、低速側が速い方がユーザー体験は良いです。なので、ダウンロード通信の安定性に関しては、auが優れていると言えるかもしれません。auは約2.8万回の計測で一度も下り速度が0.8Mbps未満になりませんでした。
【下り】月別の速度推移
以下のグラフは、下り速度の計測データを【月別】にまとめたグラフです。
各社、月によって多少のブレはありますが、長期的に見ても速度の傾向はあまり変わらないようです。
【下り】時間帯別の速度変化
以下のグラフは【時間帯別】に1時間毎の下り速度の推移を表したグラフです。
大手キャリアとサブブランドは時間帯によって速度がほぼ変わらず、通信環境が安定していることが分かります。
一方で格安SIMは、時間帯によって速度が大きく変化しているのが見て取れます。最も速度が低下するのは昼の12時台です。
【上り】通信速度ランキング(平均値)
ここからは上り(アップロード)速度を比較していきましょう。
以下のグラフは、【上り(アップロード)速度】の全データの平均値を比較した図です。
上り最速は「au」、二位もauのサブブランド「UQモバイル」と、上りはau回線が少し抜きんでている結果となりました。
下りと同様に上りでも、上位5社は大手キャリア・サブブランドが占めています。ただし、MVNOとの差は下りほど極端ではありません。
【上り】実効通信速度の比較(中央値)
以下のグラフは【下り】の実効通信速度を比較した図です。中央値が速い順に並んでいます。
若干の順位変動はありますが、平均値と中央値で大きな違いはありません。唯一、BIGLOBEモバイルがワイモバイルを抜かし、トップ5入りを果たしました。
実効通信速度データは以下の通りです。中央値の速い順に並べています。
【Mbps】 | 最遅値 | 25%値 | 中央値 | 75%値 | 最速値 |
---|---|---|---|---|---|
au | 0.2 | 4.3 | 5.2 | 5.8 | 7.8 |
UQ mobile | 0.2 | 4.2 | 4.9 | 5.4 | 8.1 |
docomo | 0.1 | 1.8 | 4.5 | 6.2 | 12.2 |
SoftBank | 0.8 | 3.7 | 4.3 | 4.8 | 14.3 |
BIGLOBEモバイル | 0.1 | 2.6 | 4.2 | 5.4 | 7.7 |
Y!mobile | 0.4 | 3.6 | 4.2 | 4.8 | 12.4 |
OCNモバイル | 0.1 | 2.3 | 4.1 | 5.3 | 9.9 |
LINEモバイル | 0.1 | 2.4 | 3.9 | 5.0 | 9.7 |
IIJmio | 0.1 | 2.8 | 3.6 | 4.6 | 9.9 |
楽天モバイル | 0.1 | 1.4 | 3.5 | 4.9 | 9.8 |
mineo | 0.1 | 1.2 | 3.0 | 4.5 | 9.0 |
上りでは、25%値・中央値でauがトップとなった。最遅値ではSoftBankが勝利を収め、上り通信の安定性ではSoftBankが優秀という結果に。SoftBankは最速値でも1位。ドコモも維持を見せつけ75%で最速となった。
【上り】月別の速度推移
以下のグラフは、上り速度の計測データを【月別】にまとめたグラフです。
これを見ると、「格安SIMは遅い」という最大のデメリットを、上り(アップロード)に関してはそこまで気にする程では無いように見えます。
【上り】時間帯別の速度変化
以下のグラフは、上り速度の1時間ごとの【時間帯別】推移を表したグラフです。
MVNO勢はお昼の12時台に若干速度が低下していますが、下りほど顕著ではなく、アップロードに関しては時間帯による影響は少ないことが分かります。
【MVNO対決】格安SIM人気6社の速度比較
大手キャリア・サブブランドと格安SIM(MVNO)には明確な差があり、MVNO各社の違いが分かり辛かったため、ここからはMVNO(格安SIM)に絞って比較していきます。
格安SIMは速度が遅い・混雑時に大幅に速度低下すると言われています。格安SIMの中でも速度が速く、通信が安定しているブランドを選びたいところ。人気格安SIM6社の最速はどこなのでしょうか?
【下り】通信速度(平均値)
OCN モバイル ONEが頭一つ抜けて、格安SIMの中では優勝を飾りました。さすがNTTブランドか。他はどんぐりの背比べですが、LINEモバイルは少し引けを取っています。
【下り】実効通信速度(中央値)
mineoとIIJmioの順位が逆転している以外は、平均値と並びは一緒です。
MVNOのみの実効通信速度データは以下の通りです。
【Mbps】 | 最遅値 | 25%値 | 中央値 | 75%値 | 最速値 |
---|---|---|---|---|---|
OCNモバイル | 0.1 | 4.4 | 7.8 | 10.3 | 22.1 |
IIJmio | 0.1 | 2.7 | 6.5 | 8.2 | 27.4 |
mineo | 0.1 | 3.6 | 6.1 | 8.3 | 15.4 |
楽天モバイル | 0.2 | 2.5 | 5.2 | 8.6 | 26.7 |
BIGLOBEモバイル | 0.2 | 1.5 | 4.6 | 8.8 | 25.0 |
LINEモバイル | 0.1 | 0.9 | 2.1 | 8.6 | 21.3 |
実効通信速度部分の「25%値」「中央値」「75%値」全てで「OCN モバイル ONE」が勝利を飾った。
IIJmioは最速値で一矢報いた。最遅値では「BIGLOBEモバイル」が優勝。(BIGLOBEモバイル:0.247Mbps、楽天モバイル:0.18Mbps)
【下り】月別の速度推移
「黄色さん速いです!他の5社も頑張ってください!」と聞こえてきそうです。
格安SIMの中ではOCN モバイル ONE一強か?他MVNO5社の混沌から一社だけ抜け出しています。
【下り】時間帯別の速度変化
これを見てもOCN モバイルの安定感が伝わります。LINEモバイルは昼以降がかなり遅い様子。
ちなみにこのグラフには休日のデータも含まれているので、平日に限るとこのグラフよりも混雑時にはさらに速度が低下します。
【上り】通信速度(平均値)
上りの1位は、OCNモバイルを抜いて、BIGLOBEモバイルでした。mineoは上りが遅いという結果に。
【上り】実効通信速度(中央値)
BIGLOBEモバイルは最速値では最下位ですが、中央値でもトップ。上り速度は速いようです。
MVNOのみの実効通信速度データは以下の通りです。
【Mbps】 | 最遅値 | 25%値 | 中央値 | 75%値 | 最速値 |
---|---|---|---|---|---|
BIGLOBEモバイル | 0.1 | 2.6 | 4.2 | 5.4 | 7.7 |
OCNモバイル | 0.1 | 2.3 | 4.1 | 5.3 | 9.9 |
LINEモバイル | 0.1 | 2.4 | 3.9 | 5.0 | 9.7 |
IIJmio | 0.1 | 2.8 | 3.6 | 4.6 | 9.9 |
楽天モバイル | 0.1 | 1.4 | 3.5 | 4.9 | 9.8 |
mineo | 0.1 | 1.2 | 3.0 | 4.5 | 9.0 |
上り速度では、BIGLOBEモバイルが「中央値」「75%値」の2冠を達成。「最速値」の最速は「OCNモバイルONE」「IIJmio」となり、「最遅値」では全社同率という結果になった。
【上り】月別の速度推移
各社抜きつ抜かれつの大混戦。格安SIM業界の群雄割拠が見事に表現されています。
【上り】時間帯別の速度変化
上りでも12時台には少し速度が低下しますが、下りほどは気になりませんね。
【対決シリーズ】どこが速い?
ここからは、対決シリーズを開催していきます。対決するのは以下の5バトルです。
- 「SIMW速度比較レポート」対決シリーズ
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- 【3大勢力対決】大手キャリア vs サブブランド vs MVNO
- 【大手携帯3キャリア対決】docomo VS au VS SoftBank
- 【サブブランド対決】UQ mobile vs Y!mobile
- 【本家VSサブブランド①】au vs UQ mobile
- 【本家VSサブブランド②】SoftBank vs Y!mobile
一般的に関心が高そうなものを比較しました。名勝負もありますので、興味があるバトルだけでもご覧下さい。
【3大勢力対決】大手キャリア vs サブブランド vs MVNO
ここでは、大手キャリア組、サブブランド組、MVNO組の3グループに分けて、通信速度の傾向を比較していきます。分類は以下の通りです。
- 大手キャリア:docomo、au、SoftBank
- サブブランド:UQ mobile、Y!mobile
- MⅤNO :LINEモバイル, IIJmio, mineo, OCNモバイルONE, 楽天モバイル, BIGLOBEモバイル
※MVNOは全てドコモ回線
※楽天モバイルはMVNOサービス
【下り】通信速度(平均値)
順位は、大手キャリア→サブブランド→MVNOと順当な結果に。ただ、大手キャリア組とサブブランド組にほとんど差はありません。サブブランド組とMVNO組の間には大きな差があるようです。
【下り】実効通信速度(中央値)
中央値は、大手キャリア組:12.3Mbps、サブブランド組:12.0Mbps、MVNO組:5.4Mbpsとなっています。
MVNOは、全要素において大手キャリア・サブブランドに負けています。
【下り】月別の速度推移
大手キャリアとサブブランドは一進一退の攻防を繰り広げた。MVNOと大手キャリア・サブブランドの間にある「見えない壁」が、このグラフでは一目瞭然で目に見える。
【下り】時間帯別の速度変化
大手キャリア・サブブランドは時間帯による速度変化は見られませんが、MVNOは特定の時間帯での速度低下がはっきりと見て取れます。最も速度が低下するのは昼12時台で、昼以降は低速状態が続きます。通勤時間の朝8時台にも速度は低下。昼休み・昼以降・通勤時間帯ではスマホからネット接続する人が増え、回線が混雑していることが見事に可視化されました。
【上り】通信速度(平均値)
上りでも順位は、大手キャリア→サブブランド→MVNOと順当な結果に。ただ、下りと同様に上りでも、大手キャリアとサブブランドにはほとんど差はありません。MVNOは一歩引けを取っているが、下りに比べればそこまで気にしなくて良いレベルでしょう。
【上り】実効通信速度(中央値)
箱ひげ図を見てもアップロードに関しては、三者の差はそこまで顕著ではありません。中央値は、大手キャリア組:4.6Mbps、サブブランド組:4.6Mbps、MVNO組:3.7Mbps。
【上り】月別の速度推移
大手キャリアとサブブランドは互角の勝負で魅了した。MVNOは下りよりは善戦しているものの、やはり全体的に速度格差は拭えないようだ。
【上り】時間帯別の速度変化
大手キャリアとサブブランドは時間帯によっては逆転している所もあります。MVNOは全時間帯で負けているが、下りよりは食らいついている。
【大手携帯3キャリア対決】docomo VS au VS SoftBank
ここでは大手携帯3キャリアに絞って比較していきます。
【下り】通信速度(平均値)
下り速度(平均値)は三社で見事に拮抗しています。
【下り】実効通信速度(中央値)
最大値・75%値ではドコモが優勝。ただし、25%値・最遅値でもドコモが最下位となり、ドコモは暴れん坊のようです。
auはコンパクトにまとまっており、安定感があります。中央値ではソフトバンクが優勝しました。
中央値は、docomo:12.3Mbps、au:12.0Mbps、SoftBank:12.7Mbps。
【下り】月別の速度推移
毎月デッドヒートを繰り返しています。
【下り】時間帯別の速度変化
ドコモだけ、朝~夕方に速度低下が見られ、この傾向はMVNOと似ています。ドコモはMVNOに回線を貸し出している絶対量が多いため、本家ドコモも引きずられているのかもしれません。
【上り】通信速度(平均値)
上り速度(平均値)ではauが頭一つ抜けて1位です。ドコモとソフトバンクはほぼ一緒。
【上り】実効通信速度(中央値)
上りでもドコモは暴れん坊将軍。最速値・最遅値ではSoftBankがトップ、75%値ではドコモがトップ、中央値・25%値ではauがトップと、3社で勝利を分けあう形に。
【上り】月別の速度推移
auとソフトバンクはほとんど変わりませんが、ドコモだけ2019年10月頃から速度が低下しているのが気になります。
【上り】時間帯別の速度変化
これを見ても上り速度はauに軍配が上がっているのが分かります。
【サブブランド対決】UQ mobile vs Y!mobile
UQモバイルとワイモバイルは格安SIMに分類されることもありますが、UQモバイルはauを運営するKDDIの子会社「UQコミュニケーションズ」の運営、ワイモバイルはソフトバンク直の運営です。
なので両者は「サブブランド」とも呼ばれています。サブブランド2社は「キャリアの通信品質」と「MVNOの低価格性」を併せ持つ中間的存在です。ちなみにドコモにはサブブランドはありません。
料金体系もほぼ同じの完全なライバル関係にある「UQモバイル」と「ワイモバイル」は、速度ではどちらに軍配があがるのでしょうか?
【下り】通信速度(平均値)
ワイモバイルが勝利しましたが、ほぼ互角といって良いでしょう。
【下り】実効通信速度(中央値)
中央値・75%値ではワイモバイルの方が速いですが、最速値・最遅値・25%値ではUQモバイルが勝っています。
【下り】月別の速度推移
やはり良きライバル関係の模様。
【下り】時間帯別の速度変化
深夜帯~昼前にかけては少しだけワイモバイルの方が速い模様。
【上り】通信速度(平均値)
上りではUQモバイルが少し速いようですが、ほぼ互角でしょう。
【上り】実効通信速度(中央値)
25%値・中央値・75%値ではUQモバイルの方が速いですが、最速値・最遅値ではワイモバイルが勝っています。
【上り】月別の速度推移
UQモバイルの方が常に0.5Mbps~1Mbpsくらいスピードがでていますが、最後の下落が気になる所。
【上り】時間帯別の速度変化
時間帯別でもUQモバイルがワイモバイルを綺麗に上にシフトした感じになっています。
【本家VSサブブランド①】 au vs UQ mobile
auとUQ mobileは運営会社が親子関係です。親子で速度に差はあるのでしょうか?
【下り】通信速度(平均値)
auが親の意地を少しだけ見せつけた。
【下り】実効通信速度(中央値)
中央値含め、ほとんどでauが勝利。最速値においてUQ mobileが一矢報いた。
【下り】月別の速度推移
ほぼ違いは無いと言って良いでしょう。
【下り】時間帯別の速度変化
一応全ての時間帯でauが上回っていますが、ほぼ一緒。
【上り】通信速度(平均値)
上りでも親超えは果たせず。
【上り】実効通信速度(中央値)
箱ひげ図の形も親子で似ています。
【上り】月別の速度推移
全ての月でauの競り勝ち。
【上り】時間帯別の速度変化
狙ってるのか?ってくらい動きは全く一緒です。
【本家VSサブブランド②】SoftBank vs Y!mobile
ワイモバイルは現在、SoftBankと同じソフトバンク株式会社によってサービス提供されています。SoftBankとワイモバイルで通信環境に差はあるのでしょうか?
【下り】通信速度(平均値)
下り速度(平均値)ではSoftBankの方が若干速いですが、ほぼ互角。
【下り】実効通信速度(中央値)
完全一致。
【下り】月別の速度推移
良い勝負ですね。
【下り】時間帯別の速度変化
またもや完全一致。
【上り】通信速度(平均値)
上り速度は見事に同じ値になりました。
【上り】実効通信速度(中央値)
やっぱり似ていますね。
【上り】月別の速度推移
月別で見ても変わりません。
【上り】時間帯別の速度変化
完全一致。
SoftBankとワイモバイルは、完全に同一回線を使っている?ように見えます。
キャリア別のスピードテスト結果
ここからは、キャリア別にデータを見ていきましょう。
現在使っているキャリアや、乗り換えを検討しているブランドだけでもチェックしてみてください。
docomoの通信速度
※本レポートの通信速度は「4G/LTE」プランのデータです。「5G」プランではありません。
ドコモは下り速度の「75%値」「最速値」と、上り速度の「75%値」でトップとなった。
- docomoの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:9.2Mbps~15.9Mbps
- 下り速度(中央値):12.3Mbps(3位)
- 下り速度(平均値):12.8Mbps(4位)
- 上り実効通信速度:1.8Mbps~6.2Mbps
- 上り速度(中央値):4.5Mbps(3位)
- 上り速度(平均値):4.2Mbps(3位)
auの通信速度
※本レポートの通信速度は「4G/LTE」プランのデータです。「5G」プランではありません。
auは下り速度の「最遅値」「25%値」と、上り速度の「平均値」「25%値」「中央値」でトップとなった。
- auの通信速度データまとめ
-
- 下り実効通信速度:11.1Mbps~13.1Mbps
- 下り速度(中央値):12.0Mbps(4位)
- 下り速度(平均値):12.9Mbps(3位)
- 上り実効通信速度:4.3Mbps~5.8Mbps
- 上り速度(中央値):5.2Mbps(1位)
- 上り速度(平均値):5.0Mbps(1位)
SoftBankの通信速度
※本レポートの通信速度は「4G/LTE」プランのデータです。「5G」プランではありません。
SoftBankは下り速度の「平均値」「中央値」と、上り速度の「最遅値」「最速値」でトップとなった。
- SoftBankの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:10.4Mbps~15.2Mbps
- 下り速度(中央値):12.7Mbps(1位)
- 下り速度(平均値):13.1Mbps(1位)
- 上り実効通信速度:3.7Mbps~4.8Mbps
- 上り速度(中央値):4.3Mbps(4位)
- 上り速度(平均値):4.2Mbps(4位)
UQ mobileの通信速度
UQ mobileは全項目でトップは無かったが、大手キャリに遜色ない速度を披露した。
- UQ mobileの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:10.6Mbps~13.0Mbps
- 下り速度(中央値):11.6Mbps(5位)
- 下り速度(平均値):12.4Mbps(5位)
- 上り実効通信速度:4.2Mbps~5.4Mbps
- 上り速度(中央値):4.9Mbps(2位)
- 上り速度(平均値):4.7Mbps(2位)
UQ mobileについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Y!mobileの通信速度
Y!mobileは全項目でトップは無かったが、本家ソフトバンクと比較しても、全ての項目で速度はほぼ変わらない結果となった。
- Y!mobileの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:10.2Mbps~14.7Mbps
- 下り速度(中央値):12.3Mbps(2位)
- 下り速度(平均値):12.9Mbps(2位)
- 上り実効通信速度:3.6Mbps~4.8Mbps
- 上り速度(中央値):4.2Mbps(6位)
- 上り速度(平均値):4.2Mbps(5位)
Y!mobileについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
OCN モバイル ONEの通信速度
OCN モバイル ONEは「ドコモ回線」しかサービス提供していません。当レポートのデータも当然「ドコモ回線」です。
OCN モバイル ONEの下り速度は、格安SIMの中では頭一つ抜き出た結果となり、NTTのプライドを見せつけた。上り速度も格安SIMの中では2位となり、通信が安定していることを示した。
- OCNモバイルONEの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:4.4Mbps~10.3Mbps
- 下り速度(中央値):7.8Mbps(6位)
- 下り速度(平均値):7.7Mbps(6位)
- 上り実効通信速度:2.3Mbps~5.3Mbps
- 上り速度(中央値):4.1Mbps(7位)
- 上り速度(平均値):3.8Mbps(7位)
OCNモバイルONEについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
mineoの通信速度
mineoは「ドコモ回線(Dプラン)」「au回線(Aプラン)」「ソフトバンク回線(Sプラン)」の3回線を提供していますが、本レポートの速度データは「ドコモ回線(Dプラン)」です。
mineoは格安SIMの中で下り速度:3位、上り速度:6位(ビリ)となり、アップロードが苦手なようだ。
- mineo(Dプラン)の通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:3.6Mbps~8.3Mbps
- 下り速度(中央値):6.1Mbps(8位)
- 下り速度(平均値):6.0Mbps(7位)
- 上り実効通信速度:1.2Mbps~4.5Mbps
- 上り速度(中央値):3.0Mbps(11位)
- 上り速度(平均値):3.0Mbps(11位)
mineoについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
LINEモバイルの通信速度
LINEモバイルは「ドコモ回線」「au回線」「ソフトバンク回線」の3つを提供していますが、今回の速度データは「ドコモ回線」です。
LINEモバイルは下りの「平均値」「中央値」ともに最下位と不名誉な結果に。時間帯別の速度を見ても午後の遅さが際立った。上りは格安SIMの中では中位であった。
- LINEモバイルの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:0.9Mbps~8.6Mbps
- 下り速度(中央値):2.1bps(11位)
- 下り速度(平均値):5.2Mbps(11位)
- 上り実効通信速度:2.4Mbps~5.0Mbps
- 上り速度(中央値):3.9Mbps(8位)
- 上り速度(平均値):3.7Mbps(8位)
LINEモバイルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
IIJmioの通信速度
IIJmioは「ドコモ回線(タイプD)」「au回線(タイプA)」の2つを提供していますが、今回の速度データは「ドコモ回線(タイプD)」の方です。
IIJmioは、格安SIMの中では下りの「平均値:3位」「中央値:2位」と奮闘したが、上りは4位と良くも悪くも特徴が無い結果となった。
- IIJmio(タイプD)の通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:2.7Mbps~8.2Mbps
- 下り速度(中央値):6.5Mbps(7位)
- 下り速度(平均値):5.9Mbps(8位)
- 上り実効通信速度:2.8Mbps~4.6Mbps
- 上り速度(中央値):3.6Mbps(9位)
- 上り速度(平均値):3.6Mbps(9位)
IIJmioについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
BIGLOBEモバイルの通信速度
BIGLOBEモバイルは「ドコモ回線(タイプD)」「au回線(タイプA)」の2つを提供していますが、今回の速度データは「ドコモ回線(タイプD)」の方です。
BIGLOBEモバイルは上りの中央値で全体4位となり、全項目で唯一トップ5入りした。上りは平均値でも中央値でも格安SIMトップで「アップロードのビッグローブ」を魅せつけた。ただし下りは下から二番目となり、上下で順位の逆転が望まれる。
- BIGLOBEモバイルの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:1.5Mbps~8.8Mbps
- 下り速度(中央値):4.6Mbps(10位)
- 下り速度(平均値):5.7Mbps(10位)
- 上り実効通信速度:2.6Mbps~5.4Mbps
- 上り速度(中央値):4.2Mbps(5位)
- 上り速度(平均値):4.0Mbps(6位)
BIGLOBEモバイルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
楽天モバイルの通信速度
楽天モバイルはMVNOとして「ドコモ回線」「au回線」の二つを提供。今回の速度データは「ドコモ回線」です。
※楽天モバイルは2020年4月7日をもってMVNOサービスの新規申込受付を終了。なので分析も特にしません。今後はキャリアとしてのサービス「Rakuten UN-LIMIT」を展開していきます。SIMWもどこかのタイミングで「Rakuten UN-LIMIT」の速度計測に切り替えようと思っています。
- 楽天モバイルの通信速度データまとめ
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- 下り実効通信速度:2.5Mbps~8.6Mbps
- 下り速度(中央値):5.2Mbps(9位)
- 下り速度(平均値):5.8Mbps(9位)
- 上り実効通信速度:1.4Mbps~4.9Mbps
- 上り速度(中央値):3.5Mbps(10位)
- 上り速度(平均値):3.3Mbps(10位)
まとめ:5Gでモバイルの通信速度はどうなる?
以上、計30万以上のデータを100枚のグラフにまとめてモバイル会社の通信速度を比較しました。
結果を改めて総括すると、サブブランドのUQモバイルとワイモバイルは、大手キャリアと遜色のない通信速度でした。
格安SIMの速度はやはり大手キャリア・サブブランドと格差があるようです。特に昼の12時台の極端な下りの速度低下が浮き彫りに。MVNOの中ではOCN モバイル ONEが比較的速い結果となりました。
とはいえ、通信速度は様々な要因によって変化します。また、2020年3月には大手キャリアが「5G」の料金プランを打ち出し、今後「5G」が本格的に普及していきます。「5G」が広まっていけば、通信速度も大きく変わっていくでしょう。格安SIMの「5G」対応にも目が離せませんね。
主要格安SIMの通信速度以外のポイントも比較したい方はこちらの記事もご覧ください。
今回のデータ元となったサービスは【SIMW】格安SIMのリアルタイム通信速度比較ツールです。各ブランドのリアルタイム通信速度を見たい方は是非参考にして下さい。
この記事が少しでも皆さんの格安SIM選びの参考になれば幸いです。また、1byteでも「(この記事)頑張って書いたんだな」と思ってくれた方は、(速度制限にかからない範囲で)シェアして頂けると、とても嬉しく思います。