拝啓 スマホを持っている全ての方へ
- あなたが今お使いのスマホの評価は気になりませんか?
- スマホを買い替える時に、どのメーカーの端末にするか迷いませんか?
- また、日本市場におけるスマホの情勢はどうなっているのでしょうか?
今回は、価格.comのレビューから、日本市場での主要スマホメーカー15社の評価を調査し、満足度ランキングを作ってみました。
そして、各メーカーの概要やスマホの特徴も紹介していきます。
その他にも、スマホの端末価格を分析したり、世界のスマホシェアや、日本でiPhoneが人気の理由、日本の携帯市場の特殊性、等にも触れていきます。
docomo,au,softbankといった大手キャリアの比較はよく目にするので、ここではメーカーを軸に比較していこうと思います。
主要スマホメーカー15社の満足度ランキング・レビュー評価比較
多くの人が、商品を買う際には、「失敗をしたくない」「満足したい」と思うでしょう。
スマホは値段が高く、毎日使うものなので、自分が満足できる端末を選びたいですね。しかし、「どのスマホの満足度が高いのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここではスマホの15社の満足度とレビューを分かりやすく図にまとめました。スマホを選ぶ際に大いに役立つので、ぜひ参考にしてください。
満足度ランキング
まずは満足度ランキングを見てみましょう。
表にすると下記のようになります。
順位 | 会社 | 評価 | 国 |
---|---|---|---|
1位 | Motorola | 4.44 | 米国 |
2位 | 4.37 | 米国 | |
3位 | Apple | 4.35 | 米国 |
4位 | ソニー | 4.24 | 日本 |
5位 | LG | 4.19 | 韓国 |
6位 | Samsung | 4.16 | 韓国 |
7位 | HUAWEI | 4.12 | 中国 |
8位 | HTC | 4.05 | 台湾 |
9位 | ZTE | 3.96 | 中国 |
9位 | ASUS | 3.96 | 台湾 |
11位 | シャープ | 3.95 | 日本 |
12位 | VAIO | 3.83 | 日本 |
13位 | 富士通 | 3.71 | 日本 |
13位 | プラスワンマーケティング | 3.71 | 日本 |
15位 | 京セラ | 3.54 | 日本 |
トップ3は、Motorola、Google、Appleという結果となりました。なんとアメリカのメーカーが表彰台を独占した形となりました。日本メーカーではソニーが4位と健闘してくれました。
一体なぜ、US系のスマホメーカーがトップ3を独占することになったのでしょうか?
この先グラフもたくさん出てきますが、わかりやすく解説しているので、数字やグラフが苦手な人でもぜひ読んでいただきたいと思います。
レビュー評価の分布を比較
各スマホメーカーの評価を100%積み上げ棒グラフにしました。評価の内訳を比較できます。
この図を見ると、先程と同様にUS系メーカーの高評価が多いことがわかります。Motorola、Google、Appleは評価のうち、ほとんどが4以上の高評価です。内訳から言っても、顧客満足度が高いことがわかります。
一方、下位3社は4未満の評価が多いです。
スマホ535端末の評価の分布
次に、主要15メーカーのスマホ端末の価格.comにおける評価の分布を見てみましょう。
下の図は、スマホ535端末のレビューを評価値0.5単位で分類したヒストグラム図です。ヒストグラムはデータ全体の傾向が視覚的にわかる便利な図です。
この図から次のことが読み取れます。
- 評価全体の平均は4.03
- 4.0~4.5未満のレビューが最も多い
- 評価4.0以上で全体の65.8%を占める
- 評価3.5以上で全体の86.2%を占める
上の情報から、価格.comにおけるスマホの評価基準は以下のようになると言えそうです。
- 4.5~5.0 :非常に良い
- 4.0~4.5 :良い
- 3.5~4.0 :良くはない
- ~3.5 :頑張りましょう
何かを購入を検討する際に、価格.comを見る方は多いと思います。今後は上記の基準を頭に入れておくと、スマホを検討する時の参考になると思います。
スマホの全評価をビジュアル化
次に、スマホの全要素を1つのグラフにまとめてみました。つまり、メーカーごとの端末数、端末ごとの評価、評価数を1つの図として視覚化しました。
いかがでしょうか?
この図を一言で表現するなら・・・「気持ち悪い!」
この図から一体何が分かるのか?
強いて申し上げるなら、「スマホメーカーの評価をビジュアル化すると気持ち悪い図が完成する」ということがわかりました。
これだけだと怒られそうなので、動きをつけて中身が理解できるように少し努力してみました。
物好きの方なら、この動きのある図から何かしらの知見を導き出せると思うので、皆様からのご意見をお待ちしております。
ここからは主要スマホメーカー15社の基本的な情報や特徴をご紹介します。
普段スマホを購入する時に、メーカーはあまり気にしないかもしれません。しかし、どこの国のどんな企業が作っているスマホなのかを知ることで、スマホ選びの大きな助けになると思います。
毎日使うスマホですので、失敗しないように、スマホの製造メーカーを頭の片隅に入れてみると良いと思います。今までは、何気なく見ていたスマホのメーカーに愛着がわくかもしれませんよ。
iPhoneやAndroid発祥のアメリカのスマホメーカー3社
スマホを語る上で避けては通れないのが、iPhoneやAndroidでしょう。この2つの生みの親はいずれもアメリカ企業です。
iPhoneの生みの親「Apple」
- 正式な会社名:Apple Inc.
- 読み方・通称:アップル
- 設立年度:1976年
- 資本金:1,235億4900万ドル(2013年)
- 従業員数:115,000人(2015年)
- 代表的なスマホ:iPhoneシリーズ
【社名の由来】
「りんごは果実食主義の食事のひとつだから」「面白そうで活発な上、高圧的ではない」ということが自伝の『スティーブ・ジョブズ』の中で語られています。
【今回の調査結果:ランキング→3位、平均評価→4.35】
スマホを代表するiPhoneだけあって評価は4以上がとても多く、高評価です。
【Appleスマホの特徴】
スマホの代名詞であるiPhoneを発売しています。日本は世界でも有数のiPhone大国なので、iPhone7からは非接触ICシステムの「FeliCa」を搭載した日本向けのモデルが発売されました。
Androidを開発した「Google」
スマホのOSであるAndroidを提供しているGoogleもスマホを提供しています。
- 正式な会社名:Google Inc.
- 読み方・通称:グーグル
- 設立年度:1998年
- 資本金:295億2700万ドル(2013年)
- 従業員数:53,600人(2017年)
- 代表的なスマホ:Pixel(ピクセル)シリーズ
【社名の由来】
10の100乗を意味するgoogol(グーゴル)の綴り違え。ドメインを取る際に、googol .comではなく、google.comと取ってしまったから。
【今回の調査結果:ランキング→2位、平均評価→4.37】
こちらもAppleと同じく高評価ですが、分母(端末数)が6分の1です。iPhoneに比べるとGoogleの端末数が少ないということです。
【Googleスマホの特徴】
Googleは「Pixel(ピクセル)」と呼ばれるスマホを発売。
最大の特徴は「Pure Android(ピュア・アンドロイド)」です。Google以外が提供しているAndroidは独自のカスタマイズがされているので、最新のAndroidへアップデートできません。しかし、「Pure Android」はカスタマイズされていないので、常に最新のAndroidへアップデートできます。
アポロ計画でも使われた「Motorola」
Motorolaはアポロ計画や衛星などにも採用された通信機器メーカーの老舗です。2011年にモトローラ・モビリティとモトローラ・ソリューションズに分割され、現在はLenovoの完全子会社となっています。世界で最初にカーラジオを発売したメーカーでもあります。
- 正式な会社名:Motorola Mobility LLC.
- 読み方・通称:モトローラ
- 設立年度:1928年
- 資本金:不明
- 従業員数:不明
- 代表的なスマホ:Motoシリーズ
【社名の由来】
自動車を意味する「Motor」と音を意味する「ola」を合わせた造語
【今回の調査結果:ランキング→1位、平均評価→4.44】
さすが1位です。4.5~5.0の割合が最も多くなっています。
【Motorolaスマホの特徴】
種類は多くないですが、独創的なスマホを出しています。最新機種では、スマホにカメラのレンズやプロジェクターやスピーカーを合体できるスマホが登場しています。
技術力で勝負の日本のスマホメーカー6社
日本企業の強みは技術力を活かしたスマホの製造です。スマホが普及する前のガラパゴスケータイの機能が盛り込まれたスマホが数多く登場しており、防水やお財布ケータイなど機能が満載のスマホが多いです。
XPERIAでお馴染みの「SONY」
日本を代表する企業のSONY。カメラやオーディオやゲーム機などの電化製品で有名ですよね。ソニーは100%出資会社の携帯電話メーカーを持っています。それが、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社です。
- 正式な会社名:ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社
- 通称:ソニー
- 設立年度:2001年
- 資本金:8,588億67百万円(2016年)
- 従業員数:125,300人(2016年)
- 代表的なスマホ:Xperiaシリーズ
【社名の由来】
ラテン語で音を意味する「SONUS」と、小さいという意味の「SONNY」から来ているそうです。
【今回の調査結果:ランキング→4位、平均評価→4.24】
全体で4位、国内で1位です。評価3.0未満がないのが凄いですね。
【SONYスマホの特徴】
ソニーからは、日本製のスマホとして有名なXperia(エクスペリア)が発売されています。
ちなみに、Xperiaの名前の由来をご存知ですか?体験を意味する「Experience(エクスピリエンス)」から作られた造語で、「体験を提供する」という意味が込められているそうです。
ウォークマンの音響技術や、デジカメのサイバーショットの撮影技術などが詰まった高性能なスマホが特徴です。いろいろな電子機器を製造しているSONYならではのスマホとなっています。
スマホも作っている「VAIO」
VAIOという会社をご存知でしょうか?VAIOとは元々SONYが出していたパソコンのブランド名称でした。しかし、事情があってソニーから離れて会社として設立されました。
- 正式な会社名:VAIO株式会社
- 読み方・通称:バイオ
- 設立年度:2014年
- 資本金:1026万円(2016年)
- 従業員数:約240名(2016年)
【社名の由来】
SONYが発売していたパソコンの「VAIO」から。ちなみにパソコンのVAIOの由来は「Video Audio Integrated Operation(ビデオとオーディオを統合的に取り扱う)」の頭文字から来ています。
【今回の調査結果:ランキング→12位、平均評価→3.83】
端末数は2つだけ。どちらも評価はそれほど高いとは言えません。
【VAIOスマホの特徴】
VAIOのスマホはWindowsのOSを搭載したスマホです。また、最新機種の名前は「VAIO Phone Biz」となっており、「Biz」ということで、法人をターゲットにしたモデルです。
最新機能が満載の「富士通」
パソコンやエアコン等、さまざまな電化製品を発売している富士通。
- 正式な会社名:富士通株式会社
- 読み方:ふじつう
- 設立年度:1935年
- 資本金:3246億2500万円(2013年)
- 従業員数:15万9000人(2015年)
- 代表的なスマホ:arrows、ディズニーモバイル、らくらくシリーズ
【社名の由来】
もともとは富士通信機電気製造株式会社という社名でしたが、1967年に社名を省略した形にして、「富士通」となりました。
【今回の調査結果:ランキング→13位、平均評価→3.71】
平均以下の3.0~3.5が最頻値になっています。また、3未満という評価の端末もあるようです。
【富士通スマホの特徴】
矢や矢印を意味するarrows(アローズ)が富士通のスマホです。名前にはスピード感や力強さ、スマホ業界の指標になるという意味が込められているそうです。
指紋認証や「ウルティアス」と呼ばれる文字入力システムなど、他社にない独自の機能が満載のスマホになっています。なお、ディズニーとコラボしたディズニーモバイルシリーズも発売して、一部から人気を得ています。さらに、スマホ初心者でも使いやすい「らくらくホン」も提供しています。
IGZO(イグゾー)液晶自慢の「SHARP」
プラズマクラスターやヘルシオなど、さまざまな商品を世に送り出して来たSHARP。どんな会社なのでしょうか?
- 正式な会社名:シャープ株式会社
- 通称:シャープ
- 設立年度:1912年
- 資本金:50億円(2016年)
- 従業員数:42,760人(2016年)
- 代表的なスマホ:AQUOS PHONEシリーズ
【社名の由来】
元々は早川電機工業株式会社という会社。創業者の早川徳次が発明したシャープペンシンルから、社名をSHARPに変更。
【今回の調査結果:ランキング→11位、平均評価→3.95】
分布は悪くないように見えますが、ランキングでは11位と下位の方です。
【SHARPスマホの特徴】
最大の特徴は独自開発のIGZO液晶です。スマホのバッテリーを消費するのは主に液晶です。その点IGZO液晶は省エネを実現しているので、バッテリーの持ちが良いです。さらに、高画質で、動画もなめらかという高性能な液晶です。
機種をいっぱい出している「京セラ」
「経営の神様」とまで言われる稲盛和夫さんが創設した京セラ。京セラはどんな端末を発売しているのでしょうか?
- 正式な会社名:京セラ株式会社
- 読み方・通称:きょうセラ
- 設立年度:1959年
- 資本金:1,157億300万円(2015年)
- 従業員数:68,185人(2015年)
- 代表的なスマホ:URBANO(アルバーノ)、DIGNO(ディグノ)シリーズ
【社名の由来】
もともとの社名であった「京都セラミック」の略称から。
【今回の調査結果:ランキング→15位、平均評価→3.54】
1つだけですが評価1.5未満の端末があります。ランキングも最下位になってしまっています。
【京セラスマホの特徴】
周りが騒がしい場所でも音が聞き取りやすい骨伝導の「スマートソニックレシーバー」が特徴的です。また、防水だけでなく、対衝撃や防塵機能を備えたアウトドア向きのスマホなど、さまざなスマホを発売しています。
世界一を狙う「プラスワンマーケティング」
新しい携帯電話会社を目指して作られたプラスワンマーケティング。FREETEL(フリーテル)というブランド名で、格安SIMと格安スマホを提供しています。目標はモバイル業界で世界一になることだそうです。
- 正式な会社名:プラスワン・マーケティング株式会社
- 設立年度:2012年
- 資本金:62億600万円(2017年)
- 従業員数:191人(2017年)
- 代表的なスマホ:KIWAMI、KATANAシリーズ
【社名の由来】
「既にあるものに付加価値をつける」という意味を込めて命名したそうです。
【今回の調査結果:ランキング→13位、平均評価→3.71】
様々な評価がついているものの、端末数は多くはありません。スマホのメーカーとしては新しいためでしょう。
【プラスワンマーケティングスマホの特徴】
FREETELというブランド名は「自由な電話」を意味した、”FREE(自由)TEL(電話)”が由来になっています。スマホは「極(KIWAMI)」や「刀(KATANA)」といった日本独自の名称がついています。
特徴としては、全ての機種がどのSIMでも使えるSIMフリー端末ということです。また同じ性能を持つスマホの半額ほどの値段になっているため、コストパフォーマンが良いです。
格安スマホからハイブランドまで幅のある中国のスマホメーカー2社
中国の電気メーカーもスマホを製造しています。スマホを作っている中国企業で有名なところは以下の企業です。
独自の技術が満載の「ZTE」
中国企業の中でも、基地局などの通信設備や、ケータイなどの無線商品を販売してきた通信機器メーカーです。詳しい情報は以下の通りです。
- 正式な会社名:中興通訊(ZTE Corporation)
- 読み方・通称:ゼット・ティー・イー
- 設立年度:1985年
- 資本金:34億4007万人民元(2012年)
- 従業員数:不明
- 代表的なスマホ:AXON、Bladeシリーズ
【社名の由来】
中国の会社名「中興通訊股份有限公司」を中国読みした際の頭文字をとって、ZTE。
【今回の調査結果:ランキング→9位、平均評価→3.96】
全体的に高評価ですね。ただし、端末数はやや少ないですね。
【ZTEスマホの特徴】
AXONでは、映画館やホームシアターで使われる「ドルビーアトモス」を世界で初めて搭載しており、音響に対するこだわりが感じられます。Bladeの最新機種では、SIMを2枚刺せるデュアルSIMに対応しているので、端末を2台持たなくても2つの電話番号を使えます。
本社が東京ドーム20個分より広い「HUAWEI」
本社が東京ドーム20個より広いというスケールの大きなHUAWEI(ファーウェイ)。果たしてどんな会社なのでしょうか?
- 正式な会社名:華為技術有限公司(Huawei Technologies Co. Ltd.)
- 読み方・通称:ファーウェイ
- 設立年度:1987年
- 資本金:890億1900万人民元(2015年)
- 従業員数:140,000人(2012年)
- 代表的なスマホ:Mate、Pシリーズ
【社名の由来】
社長が「中華有為(才能があり将来大きな仕事をすること)」という願いを込めて命名したそうです。
【今回の調査結果:ランキング→7位、平均評価→4.12】
4.0~4.5がダントツで多いですね。ただ、3.0未満の端末もひとつあります。
【HUAWEIスマホの特徴】
上位機種にはカメラメーカーとして世界的に有名なライカのレンズが搭載されています。さらに、2つのレンズで写真を撮って、合成して高精細な写真を作る機能が搭載されています。他にも指紋センサーや大容量バッテリーなど機能が満載です。
世界の電子産業を支える台湾のスマホメーカー2社
アジアのシリコンバレーと呼ばれる台湾。台湾のメーカーも高い技術力を駆使したスマホを発売しています。
ZenFoneでブレーク!「ASUS」
コストパフォーマンスの良い商品を世に送り出しているASUS。果たしてどんな会社なのでしょうか?
- 正式な会社名:華碩電脳股份有限公司(ASUSTeK Computer Inc.)
- 読み方・通称:エイスース
- 設立年度:1989年
- 資本金:1,220億円(2007年)
- 従業員数:100,000人(2007年)
- 代表的なスマホ:ZenFoneシリーズ
【社名の由来】
ペガサス(Pegasus)の最後の4文字から取られています。ペガサスが持つ創造性と純粋さを実現することを目指しているそうです。
【今回の調査結果:ランキング→9位、平均評価→3.96】
3.0未満の評価がないのは、端末の性能が良いからかもしれませんね。
【ASUSスマホの特徴】
価格が安い格安スマホにも関わらず、高性能なZenFoneで大人気となりました。特徴としては、サクサク動くCPUやハイテクなカメラ性能が挙げられます。また、最新のZenFone3からは高級感のあるデザインが採用されました。
17年間スマホを作り続けてきた「HTC」
iPhoneが登場する以前からタッチ操作ができる端末を世に送り出して来たHTC。
- 正式な会社名:宏達國際電子股份有限公司(HTC Corporation)
- 読み方・通称:エイチ・ティ・シー
- 設立年度:1997年
- 資本金:不明
- 従業員数:16,746人(2012年)
- 代表的なスマホ:HTVシリーズ
【社名の由来】
ハイテクコンピュター(High Tech Computer)の略から。
【今回の調査結果:ランキング→8位、平均評価→4.05】
他のメーカーと比べると4.5以上の評価も多いですね。
【HTCスマホの特徴】
あまり知られていませんが、HTCは1998年からタッチ操作の端末を発売しています。なお、最新の防水は未対応ながら、防塵には対応しているという珍しい端末です。
有名機種を販売する韓国のスマホメーカー2社
韓国のメーカーも有名なスマホを出しています。スマホに詳しいくない人でも、GALAXY(ギャラクシー)という名前のスマホは聞いたことがあるのかと思います。
世界のスマホの出荷台数で1位を誇る「Samsung」
世界のスマホの出荷台数で1位を誇るサムスン電子。
- 正式な会社名:삼성전자(Samsung Electronics Co., Ltd.)
- 読み方・通称:サムスン(電子)
- 設立年度:1969年
- 資本金:331兆4000億ウォン(2013年)
- 従業員数:489,000人(2014年)
- 代表的なスマホ:GALAXYシリーズ
【社名の由来】
社名である三星電子のアルファベット読み。「大きく、明るく、光る3つの星」という意味が込められています。
【今回の調査結果:ランキング→6位、平均評価→4.16】
4~4.5未満のレビューが目立ちますね。「GALAXY」は性能が良いのでしょう。
【Samsungスマホの特徴】
スマホとして有名なGALAXYが主力商品です。大画面や大容量バッテリーなどハイスペックな技術が満載のスマホで、常にスマホ業界のフラグシップモデルとなっています。ただし、Galaxy Note7は設計の問題からか「爆発するスマホ」として世間を騒がせました。
モニターやテレビなどで有名な「LG」
モニターやテレビなどの液晶で強いLGはどんなスマホを作っているのでしょうか?
- 正式な会社名:LG Electronics Incorporated
- 読み方・通称:エルジー(電子)
- 設立年度:1958年
- 資本金:1,314億8,248万人民元(2011年)
- 従業員数:91,457人(2012年)
- 代表的なスマホ:LGVシリーズ
【社名の由来】
「LET’S GO」の略称。
【今回の調査結果:ランキング→5位、平均評価→4.19】
分布が特徴的で高評価に偏っています。3.5以上がほとんでです。端末が使いやすい証拠かもしれませんね。
【LGスマホの特徴】
モニターやテレビなどで有名なメーカーだけあって、ディスプレイの美しさには定評があります。また、カメラの性能やオーディオの性能にもこだわりがあるため、動画を楽しみたい人にはオススメです。
スマホの端末代ってどれくらい?価格帯でメーカーを4つのグループに分類
評価(満足度)や各メーカーの特徴を見てきましたが、ここからは端末の価格帯を分析します。
下の図は、主要メーカー15社の主要スマホ175端末を、1万円ごとに価格帯で分類した図です。
棒が長いほど、その価格帯の端末数が多いことを表しています。赤色の折れ線グラフは累積度数分布表です。例えば、日本では6万円未満のスマホが全体の95.4%を占めていることがわかります。
この図から次の3つが読み取れます。
- 1万円以上~2万円未満のスマホがもっとも多く販売されている。
- 3万円未満の価格帯にスマホは集中(63%)している。
- 6万円以上の高価格帯のスマホは少ない(約4.6%)。
次に、メーカーごとに端末代金の平均を比較してみましょう。下の図は、各スマホメーカーの端末平均価格を比較した図です。
この図からスマホメーカーを4つのグループに分類してみました。
iPhoneが最も高い82,643円
表を見る限り、iPhoneでおなじみのAppleが抜きん出て、82,643円と最も高いです。2番手のGoogleに比べても3割以上高いです。
実は、iPhoneは日本のスマホシェアの60%以上を占めています。スマホメーカーの中で最も高い8万円代にもかかわらず、6割ものシェアを築いているのです。この理由は後ほど解説します。
iPhoneに次ぐ高価格帯【4~6万円代】グループはアメリカメーカー
- Google (¥62,575) US
- VAIO (¥58,000) JAPAN
- Motorola (¥45,910) US
次に注目したいのが平均価格の高いGoogleからMotorolaまでの3社です。4万円代から6万円代の価格帯でスマホを販売しているメーカー群です。3社のうち2社がアメリカの会社です。さらにVAIOもアメリカと深い関係にあります。
「日本のVAIOが入っている!」と思われた方もいると思います。しかし、現在VAIOが出しているスマホ「VAIO Phone BIZ」は「Windows10 mobile」搭載の端末です。「Windows10 mobile」はアメリカのMicrosoftがスマホ用に開発したOSのことです。VAIO株式会社に問い合わせたところ、「VAIO Phone BizはMicrosoftとの共同開発の端末」と回答をもらいました。つまり、VAIOもアメリカの会社が日本のメーカーと組んだ製品です。
なので、2番目に平均価格の高いグループは「US色の強いグループ」と言えそうです。
アジア系の有名メーカーの平均価格は2~3万円代
- ASUS (¥34,150) TAIWAN
- Samsung (¥33,388) KOREA
- ソニー (¥27,054) JAPAN
- 富士通 (¥24,523) JAPAN
- シャープ (¥22,248) JAPAN
- HUAWEI (¥20,626) CHINA
それに続く2~3万円代のスマホを出しているのはASUSやSamsung等の台湾や韓国のメーカーと、ソニー、富士通、シャープといった日本メーカー。これらのメーカー名を一度は聞いたことがあると思います。
なので、3番目に平均価格の高いグループは「アジアの有名メーカーグループ」と言えそうです。
1万円台のスマホを生産しているメーカー
- FREETEL (¥19,547) JAPAN
- ZTE (¥19,531) CHINA
- HTC (¥16,918) TAIWAN
- LG (¥16,655) KOREA
- 京セラ (¥16,085) JAPAN
最後に、表の右側に寄っている市場価格1万円代の端末を生産しているのは、アジア系のマイナーメーカーです。京セラやLGは一度ぐらい聞いたことがあるかもしれせん。しかし、FREETELやZTE、HTCなどは聞いたことがないかもしれませんね。。
スマホメーカーのシェア・ランキング
スマホメーカーの価格帯の多くが3万円から4万円であることがわかりました。にもかかわらず、6割以上もの人が8万円以上するiPhoneを持っているのはなぜでしょうか?
そもそも、「日本におけるiPhone信仰」は本当なのでしょうか?実態を知るために、世界ではどうなっているのかを見てみましょう。StatCounterという統計データサイトを基にシェアを確認していきます。
世界のスマホメーカーシェア
以下の図は、過去2年間(2015年6月~2017年6月)の世界におけるスマホのメーカー(Mobile Vender)シェアを時系列で追ったグラフです。
日本では圧倒的に人気のApple(灰色)ですが、世界では第二位。Appleを抑えて世界シェア1位を獲得しているのは韓国のSamsung(青色)となっています。
世界的に見れば、Appleを抑えてSamsungが1位のシェアを持っています。つまり、世界のスマホ市場の王様はiPhoneではないのです。
ちなみに黄色はUnknown(?)、ドット線はOthers(その他)なので、無視して結構です。
続いて、時系列ではなく、棒グラフでシェアをさらに分かりやすく可視化してみましょう。データの期間は2017年1月~2017年6月です。
少し見にくいので、Unknown(?)とOthers(その他)を除いた、2017年の世界のスマホメーカーシェアのランキングを表にしてみます。
ランキング | メーカー | 国 | シェア |
---|---|---|---|
1位 | Samusung | 韓国 | 33.23% |
2位 | Apple | アメリカ | 19.58% |
3位 | Huawei | 中国 | 4.05% |
4位 | LG | 韓国 | 3.71% |
5位 | Lenovo | 香港 | 3.05% |
6位 | Nokia | フィンランド | 3.00% |
7位 | Xiaomi | 中国 | 2.60% |
8位 | Oppo | 中国 | 2.36% |
9位 | Motorola | アメリカ | 2.11% |
日本メーカーがひとつも入っていないのは残念ですね。また先ほど紹介した主要15社以外では、日本人にはほんど馴染みのない中国企業の「Xiaomi」「Oppo」が入っています。最近大幅にシェアを伸ばしているメーカーです。
以下の図は2016年第1四半期の、世界のスマホの売上ランキング(メーカー別)です。
参照:https://reameizu.com/ic-insights-ranking-2016q1-meizu-11th/
ここでも1位はSamsung、2位がApple、3位がHuaweiとなっています。
そして、その後に中国企業が多くを占めています。人口が圧倒的に多い中国でスマホを持つ人が増え始めているのでしょう。ここでも日本のメーカーが1つも入っていないのは残念ですね。
日本のスマホメーカーシェア
続いて、日本におけるスマホのメーカーシェアを見てみましょう。
以下の図は、過去2年間(2015年6月~2017年6月)の日本におけるスマホのメーカーシェアを時系列で追ったグラフです。
圧倒的なApple一強ですね。そこにしか目が行きません。
続いて、棒グラフでシェアを可視化してみましょう。データの期間は2017年1月~2017年6月です。
やはり見にくいので、2017年の日本におけるスマホメーカーシェアのランキングを表にしてみます。
ランキング | メーカー | 国 | シェア |
---|---|---|---|
1位 | Apple | アメリカ | 69.52% |
2位 | Samusung | 韓国 | 4.82% |
3位 | SONY Ericsson | 日本 | 3.66% |
4位 | Huawei | 中国 | 1.52% |
5位 | アメリカ | 0.74% | |
6位 | SONY | 日本 | 0.70% |
7位 | ASUS | 台湾 | 0.63% |
8位 | SHARP | 日本 | 0.54% |
9位 | HTC | 台湾 | 0.53% |
日本においてはさすがに国内企業がランクインしていますが、AppleのiPhoneによって国内メーカーが壊滅したことが一目瞭然です。
以上より、「日本におけるiPhone信仰は本当」と言えるでしょう。
モバイルOSのシェアについては、こちらでより詳しくまとめているので気になる方はご覧ください。
日本でiPhoneが人気の理由はこちらで解説しています。
【キャリア vs SIMフリー】日本の携帯の契約形態の特殊性
「SIMフリースマホ」というのをご存知でしょうか?SIMフリースマホとは、どこの会社のSIMカードでも使えるスマホのことです。
- SIMフリー端末:どこのSIMでも自由に契約できる
- キャリア端末:特定のSIMカードでのみ利用できる
日本では、SIMカードとSIMロックがかかった端末を一緒に購入するのが今でも一般的です。なので、大手携帯会社で契約したスマホは別の会社のSIMでは使えない「SIMロック」がかかっています。
それに対して、世界ではSIMカード(回線)と端末を別々に購入するのが一般的です。SIMフリースマホであれば、大手携帯会社でも格安SIM業者でも自由に契約できるメリットがあります。
SIMフリーについて詳しくはこちらをご覧ください。
最新のSIMフリースマホ端末が知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください。
SIMフリー端末とキャリア端末の割合
以上、一般論を述べてきましたが、実際のところはどうなのでしょうか。
下の図は、SIMフリー端末とキャリア端末のどちらを生産しているかの割合をメーカーごとに示しています。
例えば、日本の[FREETEL]ブランドを運営するプラスワンマーケティングは、生産するスマホの全てがSIMフリー端末です。逆にSamsungは全端末がキャリア端末です。
この図をまとめると、以下のようになります。
- AppleとGoogleは全端末でキャリア版もSIMフリー版もある
- SIMフリー端末のみ:4社
- 両方展開している:6社
- キャリア端末のみ:3社
AppleやGoogleのように、キャリア端末・SIMフリー版の両方出しているメーカーがいる一方で、キャリア端末のみ生産しているスマホメーカーもあります。ソニーやSamsung、富士通がそれにあたります。
日本におけるスマホのシェア上位5社
ここで一旦、スマホメーカーのシェア率を見てみましょう。
以下の表は日本におけるスマホ端末のシェアです。
ソース:https://webrage.jp/techblog/sp_share/
これをメーカーごとにまとめると下記のようになります。
スマホ | メーカー | OS | シェア率 |
---|---|---|---|
iPhone | Apple | iOS | 60.57% |
Xperia | ソニー | Android | 7.91% |
GALAXY | Samsung | Android | 0.93% |
arrows | 富士通 | Android | 0.79% |
Disney Mobile | シャープ | Android | 0.78% |
その他 | その他 | その他 | 29.02% |
Apple以外の上位メーカーはキャリア専用端末のみを生産している
Appleに続くシェアを持っているスマホメーカー3社はソニー、富士通、Samsungです。国内外でも有名どころのメーカーですね。
この3社に共通するのが、日本ではキャリア専用端末のみ販売しているという点。日本以外ではSIMフリー端末も販売しているようです。
どうして日本でAppleに次いでシェアが高い3社は「キャリア専用端末」しか販売していないのでしょうか?
メーカー側はSIMフリー端末の販売に消極的
SIMロックがかかっていない端末の方がいろいろなSIMを使えるので、ユーザー側にとっては便利です。しかし、メーカー側は、SIMフリー端末の発売に消極的です。
私の憶測ですが、「キャリアの割引がないと高性能なスマホが売れづらい」という現実があるからでしょう。
高性能なスマホほど、本体価格は高くなります。Appleに次いでシェアが高い3社のスマホは高性能なものが多いです。高額なので、キャリアの割引なしでは、なかなか売れづらいのだと思います。
実際、ソニーは2015年4月20日に、「SIMフリーのXperia J1 Compact」という端末を販売しました。その価格は49,800円。2015年当時は「格安スマホ」という言葉が出始めた頃でした。
また、2016年2月にiPhoneの実質負担金0円が原則禁止に改正されるまで、スマホ端末の実質負担金は1万円未満が主流でした。なので、SIMフリーのXperiaは価格が高すぎて、市場ではほとんど売れなかったようです。
この経験から、ソニーはSIMフリー端末を再度販売するのに二の足を踏んでいるのでしょう。他のメーカーもこの例を見ているので、現在もSIMフリーには消極的な立場なのでしょう。
大手キャリアが魅力的なスマホを手放したくない
これも私の憶測ですが、大手キャリアがSIMフリー端末の販売自制をメーカーに求めている可能性があります。
その理由は、MVNOつまり格安スマホ・格安SIMへの乗り換えを防ぐためです。自然に考えると、魅力的なSIMフリースマホと毎月の料金が安い格安SIMが手に入るなら、大手キャリアから乗り換える人は急増するはず。そうならないように、大手キャリアは魅力的な製品を独占的に販売したいのです。
つまり、日本ではメーカーとキャリアの思惑がある意味で一致しているのです。
日本ではメーカーとキャリアの繋がりが深い
また、昔の日本の携帯市場は「ガラパゴス」と言われるように特殊でした。日本メーカーは技術力があり、国産の高機能、高性能なガラケーが普及していました。
さらに当時は海外メーカーの携帯電話なんかほとんどなかったので、日本メーカーとキャリアが密接に結びついていきました。
しかし、現在はモバイル業界において、ガラケーからスマホへとパラダイムシフトしました。
さらにグローバル化により、様々な国のメーカーのスマホが提供されています。にもかかわらず、両者の関係が濃いという昔の習慣から日本は現在でも抜け切れていないのです。
なので、日本ではキャリアと端末のセット販売が今でも主流であり、SIMフリー化も世界に比べて遅れているのです。
調査条件
以上の独自の調査内容や条件は以下の通りです。各データ取得日は2017年1月10日です。スマホマニア以外の方は読み飛ばして頂いて構いません。
レビュー評価の取得手順・条件
- 価格.comにて、主要15メーカーの全端末を抽出
- 端末ごとのレビュー評価(満足度)の値を取得
- レビュー評価数が0のものは、データとして含まないこととした
端末価格の取得手順・条件
- 端末選定方法:各メーカーごとに公式HPに掲載されているスマホ端末を抽出
- 価格データの収集手順
- 価格決定手順
- キャリアでの契約が必要な端末は「新規契約」時の実質負担金を参照
- SIMフリー端末は価格.comの最安値を参照
- キャリア版とSIMフリー版が存在する端末はSIMフリー版を参照
まとめ:国内メーカーの不振とスマホの多様性
スマホについて何か新たな発見はありましたか?
様々なグラフも使って、メーカーという視点からスマホについて比較・分析をしてきました。
私が最も印象に残ったのは、「国内メーカーの評価が低かったこと」です。そして、「メーカーにも端末にも多様な選択肢があるんだな」と改めて実感しました。
日本メーカーには、今後は「Made in Japan」をもっと発揮していって欲しいところです。
皆様におかれましては、次回スマホを乗り換える時には、この記事を思い出していただき、これまで選択肢に入っていなかったスマホも検討してみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
敬具
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日本一気持ち悪い図で解説したよ~!
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— XERA公式 (@xera_jp) 2017年1月20日