光回線の代理店営業の闇!現役の工事業者がその実態を激白(匿名)

更新日:2019/12/26
公開日:2017/07/06

「いきなり電話がかかってくる」「勧誘がしつこい」「不要なオプションを付けられる」と、悪い噂が絶えない光回線の代理店の営業。

僕は光回線を契約したお客さんの家でネットの回線工事を行う工事業者なのですが、代理店の営業があまりに酷いので記事にまとめました。

通信業界が抱える代理店の闇に光を当てました。これを読めば、代理店の実態を理解してもらえると思います。

光回線の代理店はオオカミ

光回線の代理店というのは、光回線の営業をしている業者のことですが、オオカミみたいなもんですよ。光回線についてよく分からない人を捕まえて、無理やり商品を売っているので。

「そのお客さんに光回線が必要かどうか?」は考えていません。ハローページに載ってる電話番号や名簿屋から仕入れた電話番号に電話かけまくって、光回線の契約を取りたいだけ。

個人的な意見だけど、「良い代理店はない」と思ってるよ。だって、代理店から電話がかかってきて、喜んでいる人はほとんどいないからさ。知らない人から家に電話がくるって嫌じゃない?しかも、あからさまにサービスを売りつけようとする電話だよ。代理店によっては断っても何度もかけて来るし。

代理店ができた理由は「完全分業制」

なんでわざわざ代理店ができたかというと、完全分業制にしたかったんですよ。「営業するところ」「工事するところ」「事務するところ」という形で。

光回線の営業をしている中心は代理店。だって、楽だもん。契約が決まった分だけ代理店にお金を払えばいいんだもん。普通は固定費として人件費を払うけど、NTTは契約が決まった分だけインセンティブを支払えば良いから楽ですよ。毎月固定で費用がかからない。支払いが大きくなった時は契約が取れた証拠。そして利益は出る。

で、代理店側としては、インセンティブが欲しいから、あの手この手で営業をかけるわけ。結果として、代理店は詐欺まがいの営業トークをして、知識がない弱者を犠牲にしているのが現状ですよ。

手段を選ばない代理店の販売方法

代理店によっては、「光回線の工事業者を送り込むまでが勝負」って印象を受ける。僕たち工事業者を送り込んで、3割4割が開通すれば良いぐらいと思っているように感じるよ。

お客さん一人一人が大事なら、もっと丁寧に説明すると思うんだよね。「3割4割が決まれば良い」と思っているから、説明が雑なんじゃないかな。

たまに天地がひっくり返るようなことを言ってたりするよ。代理店は営業して数字を上げることが目的だから、手段を選ばないケースが多々あるよ。僕は色々見てきたから、具体的に紹介していくよ。

ケース①「NTT”の方”から来ました」

あるあるだと思うけど、「NTT”の方”から来ました」って訪問営業して契約を取る人も多い。「NTTの方から」って言っているけど、NTTの人じゃなくて、代理店の営業マンだよ。NTTの人ではないよ。NTTって名前を出しておけば、「NTTなら間違いないだろう」って看板を信じて買っちゃう人が多いのさ。

中には、auひかりの代理店の営業マンで「NTTの方から来ました」って言ってる人もいたけど、「auひかりはKDDIなんだから、NTTの要素がないじゃん」って思ったよ。

ケース②「この辺りの担当になりました」「あそこの家も契約してくれました」

他にも訪問営業で「この辺りの担当になりました」とか言ってくる営業マンもいるけど、もはや何の担当か分からない。そんなよく分からない挨拶に来て「あそこの家も契約してくれました」「こちらのお客様も契約してくれました」って営業する人もいるよ。だけど、実際は周りの家は契約していないんだよ。だって、ネット工事やってないって見れば分かるからさ。「みんなが契約しているなら、うちもやろう」って思わせているんだよ

ケース③「ライトなら今より安くなりますよ」

光回線には、インターネットを使った分に応じて料金が変わる「ライト」ってプランがあるんだよ。

ただ、インターネットを1GBも使えば通常のプランより高くなっちゃう。1GBなんてパソコンで動画を観たら、すぐに超えるからね。でも、最初の料金は安いから、「ライトなら今より安くなりますよ」「インターネットをあまり使わないなら、切り替えた方がお得です」って営業するのよ。

一時期、「ライト・フィーバー」みたいな時があって、おじいちゃん、おばあちゃん目掛けて、ライトプランを売りまくってたわけ。実際は普通のプランより毎月高くなるのに。

ケース④「電話が安くなりますよ」「固定費が500円になりますよ」

「電話が安くなります」「固定費が500円になりますよ」って電話をかけることも多いよ。これも、おじいちゃん、おばちゃんがメイン。

電話の固定費は安くなるよ。アナログ回線の電話回線がだいたい月1,700円なんだけど、ひかり電話なら月500円になる。でも、ひかり電話を使うには、光回線料やプロバイダ料も発生する。そうなると、電話の固定費は500円になるけど、総額は3,000円~6,000円になる。スマホもパソコンも持ってないおじいちゃん、おばあちゃんに光回線を売るって鬼だよ。しかも2年契約だったりするから、途中でやめられない。

だけど、「電話の固定費は安くなったでしょ」って主張だよ。総額は間違いなく高くなるから、詐欺まがいだよ。「総額が高くなる」って関係者はみんな知っている。でも、売らないわけにはいかないから、「電話の固定費が安くなりますよ」って売るんだよ。

ケース⑤「機器交換だけ」「工事は簡単で20分で終わる」

お客さんの家に工事をしに行ったら、「『機器交換だけ』って聞いてるよ」ってパターンも多いよ。光回線を通す工事が必要な家でも『機器交換だけ』って案内しているんだよ。「『20分で終わる』って言われた」ってパターンもある。

ネット工事が20分で終わるなんてまず無いよ。20分って「よろしくお願いします」と挨拶して、家の中を確認して「こんな工事をしますね」説明したら20分経っちゃうよ。

「線を通す工事をします」とか「工事に時間がかかる」と言うと客さんが面倒がるから、『機器交換するだけです』『20分で終わります』って簡単そうに言って売ってるんだよ。工事によっては、家に穴開けて線を通す必要があるから、簡単じゃないよ。

ケース⑥「電話線が無くなるので、ひかり電話にして」

酷い売り方は他にもあって、「電話線が無くなるから、ひかり電話にして」って営業された人もいたよ。工事をしてたら「うちさ『電話線が無くなる』って言われたから、ひかり電話にしたよ。電話線無くなるんでしょ?」って言われてアゴが外れたよ。

「いやぁ…、まぁ…いつかは、無くなるかもしれませんねぇ…(汗)」って返事しといたよ。NTTがアナログ回線の電話からひかり電話への切り替えを推進してるけど、この日本から電話線が無くなるのなんて、「何十年先にあるかどうか」って話だよ。

「水道管が無くなるからウォーターサーバーにして」って言ってるようなもんだよ。無茶苦茶だよ。マニュアルに書いてあるのか、「電話線が無くなるから、ひかり電話にして」って言えば契約が取れるのかもしれないけど、誇張しすぎだよ。営業は契約を取るのが仕事なんだろうけど、契約の取り方がアンフェアだよ。

良心が痛んだケースもあった

良心が痛むケースもあるよ。暮らしぶりとして決して裕福ではないおじいちゃん、おばあちゃんの家が光回線の「ライト」を契約したから工事に行ったんだよ。この時は本当に良心が痛んだよ。

強引な勧誘電話で契約させられていた

パソコンもスマホもない家で、明らかにインターネットを使わなさそうな家だったから、お客さんに「お客様は、今回の契約をどう思っているんですか?」って聞いてみたんだよ。

そしたら、「勧誘の電話が本当にうるさくてね。『安くなるから』の一点張りで、電話を切らしてくれないの。切ってもまたかかって来るし。『いらない』って言っても、翌日もかかって来て、電話を切らせてくれないの。根負けして『安くなるならいいわ』って答えたの」って言ってたのさ。

そこは、固定電話だけのお家で、インターネット使わない。なのに、「光回線」と「ひかり電話」を入れるから、毎月の支払いが1,700円から3,000円とかになるんだよ。聞いてるだけで、可哀想になったよ。

お客さんが無事に断った

でも、そこの家をよく見たら、壁に穴を開けないといけない家だったの。で、お客さんに「線を通すためには、家に穴を開けないといけないんですが、どうしますか?」って聞いたよ。

そしたら、「家に穴を開けるなんて聞いていない。キャンセルさせて」と言ってきた。工事が中止になれば、足代だけしか出なくなるけど、使わないものを契約させずに済んで、ホッとしたよ。

でも、営業は簡単に逃がしてくれなかったよ。キャンセルになっても、「お客様がキャンセル希望です」と代理店の営業に戻す規則だから戻した。そしたら、血に飢えたオオカミのような営業からお客さんにもう一回電話がかかってきて、なんとか工事をさせようと説得しているの。

でも、お客さんは「家に穴が開くなら嫌です」と断り続けてたよ。

この時の営業マンがすごい奴で、お客様が「辞めたい」って言ったにも関わらず、今度はこっちに電話がかかってきて「『お客様が工事して良い』と言うんで、工事してください」って、僕に言って来たんだよ。「お客様は『断った』って言ってたよ」と営業マンに伝えると。「あれおかしいな?」ってトボける。人間ここまでやれるのかと思ったよ。

光回線の代理店事業は簡単に始められる

光回線の代理店は、事務所と固定電話が1台あれば、どこの光回線でも扱えるみたい。ただ、事務所だけ間借りして、固定電話じゃなくて携帯電話だけでやっているところもあるらしいよ。

代理店にとっては、全国がターゲットなんだよ。どこに住んでいようが、全国の代理店から勧誘の電話がかかってくるよ。お客様が「良い」と言えば契約が成り立つから、距離は関係ない。「ここの人が契約してくれます。工事日をお願いします」って言えばOK。だから、場所を選ばないし、手段も選ばないよ。相手の家に固定電話があれば、成り立つビジネスだから。

関西なのに、「九州から電話がかかって来た」とか「北海道から電話がかかって来た」とか、よくあるよ。工事業者は「自分のエリア、ここくらいまで」ってなるけど、代理店の場合、国内の電話がかかるところは商圏だからね。

個人的には、電話だけで全て稼ぎ出そうとする根性が気に入らないよ。「効率化」って言ったら聞こえは良いけど、酷すぎるよ。アフターケアは一切なくて、売ったらそれっきりの売りっぱなし。

代理店の営業マンの種類

営業マンには大きく3タイプいると思うんだよ。

  • 正社員としてやっている人
  • 固定給+インセンティブでやっている人
  • フルコミッションでやっている人

フルコミッションでやっている人なら、1契約で数万円のインセンティブが入ったりするから、「多少の嘘をついてでも売りたい」という気持ちになってもおかしくないよ。

酷い例だと、「(光回線の)線が増えるなら、面倒だからいらないよ」って言ってたお客様に、「機器交換だけだから」って案内してたケースもあったよ。ちょっと待ってくれよ。「線が増えると嫌」って言ってるお客さんに「機器交換だけ」って、なんで案内できるんだよ。線が増えるんだよ。

代理店営業マンの教育事情

代理店の営業マンはあまり教育を受けてないイメージだよ。現場でどんな工事をしているかを知らないから、適当なことを言ってるだろうね。代理店の営業マンは入れ替わり立ち代わりが激しいから、教育が行き届いてないんだよ。リストを渡されて、「『安くなりますから』って電話すれば良い」ってレベルの教育だと思う。

基本的には「安くなりますから」の一本押し。お客さんに『安くなりますから』トークでした?」って聞くと、だいたい「そうね」って言ったりするくらい「安くなります」の連呼だよ。ロクな教育していないよ。

あとは、「早くなります」とかね。中には、年配のお客さんで、「『パソコンの立ち上がりも早くなる』って言われてた」って人もいたよ。早くなるわけないじゃん。ほんと滅茶滅茶。ただ、毎日のように電話かければ、お客様が根負けして「安くなるならいいよ」って言うけど、力技の営業だよね。

営業の適当な説明のツケは工事業者が払っている

工事業者は屋根に登ったり、床に潜ったり命かけて工事して何千円。それなのに、代理店の営業マンは電話かけるだけで何万円。営業至上主義な流れがあると思うよ。

しかも、ほとんどの営業が適当な説明しかしないから、説明時間が増えて作業時間が長くなるから、工事業者の負担が重いよ。営業が話して、契約してもらったんだから、営業がキチンと説明しておくべきだと思うよ。押し切られた感があるお客さんは、僕たちに「本当に大丈夫なの?」って説明を求めてくるよ。よっぽどひどい時は、こっちが0から説明するよ。

良い代理店なら、開通後に家までサポートに来たりすると思うよ。でも、サポートに来る代理店は見たことがない。訪問の営業以外は、すべて電話一本で済まそうとする。顔をあわせるのは工事業者だけってお客さんがほとんど。代理店の仕事は流れ作業だから、「誰?話したことあった?」ってレベル。薄情だよね。

お客様が自分を守る術を知らないのも問題

代理店が酷い売り方をするのも問題だけど、「お客様が自分を守る術を知らない」のも問題だと思う。だから、営業に押し切られてしまう。「電話がかかってきたら、一度切って。サービスをネットで調べてみる」とか「分からない時は、営業マンの言葉を信じずに分かる人に聞いてみる」というのがオススメの対策だよ。

光回線の営業から身を守る術を知らないために、電話だけしか使わないのに、光回線を契約している人もたくさんいるよ。お客様が無関心だから、「ライト」がお得じゃないとか分からないし、分かろうともしない。

代理店の売り方は、通信業界の闇の部分だから多くの人に知ってもらいたい。それに、光回線に対してもっと興味を持って欲しい。

ただ、おじちゃん、おばあちゃんっていうインターネットの知識がない人には、インターネットでは届けられない。インターネットは便利だけど、一番届けないといけないインターネットの知識がない人には届けづらいよね。できるなら、足使って地回りして、公園で光回線についての紙芝居でもして「なるほどそういうことかー」て、知識を付けてもらう必要があると思っているよ。

理想論だけど、代理店からかかってきた電話を論破できる人が増えたら良いね。「『ライト』は、初期費用は安いが、820MB以上使ったら、既存の光回線より高くなるじゃろ」とか「なんで契約しないか分かるか?うちだと別の会社の光回線の方がお得だからだ。もっと勉強しろ!」って言うくらいの詳しい人が増えて欲しいね。

「自分から契約したい光回線」や「しっかりした代理店」が登場してほしい

今は、代理店の営業マンが無理矢理売って、工事を発生させている。もちろんその工事で自分は食べている。でも、「あの光回線を契約したい」って思うくらいの光回線サービスが出て来て、工事が発生してくれたらと思うね。

無茶無茶な売り方をしている代理店でも成り立ってるから、しっかりした代理店が出てくれば、もっと光回線業界は良くなると思う。電話で売って終わりじゃなく、開通前から開通後までサポートしてくるような代理店が出てきて欲しいよ。

光回線業界は、色々な闇がある業界だからこそ、闇に光が当たれば良くなると思ってるよ。知識のない弱者が食い物にされることがない社会になることを願ってるよ。

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