ハイレゾとは?音源の違いからオススメのハイレゾ対応イヤホン・ヘッドホン・スピーカーまで

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音楽は人を沈黙の深みに誘う。音は心の粒子なのだから。
大岡信

皆さん「ハイレゾ」についてご存知ですか?

「ハイレゾ = 高音質」というイメージはあっても、実際にハイレゾを日常的に聴いているという方は少ないのではないでしょうか。

この記事は、自称ミュージシャンでもある私が、ハイレゾ音源と従来の音源の違いから、ハイレゾを聴くための方法、オススメの最新ハイレゾ対応イヤホンやヘッドホン、スピーカーも紹介していきたいと思います。

イヤホンなどの再生機器に関しては、家電量販店へ足を運び、実際に試聴してきました。

ハイレゾとは?


ハイレゾとは「High Resolution Audio(ハイ・レゾリュショーン・オーディオ)」の略で、高解像度の音源を意味します。定義は、CDの音質を超える情報量をもったデジタル音源を指します。

一体、「CDの音質を超えるデジタル音源」とはどのような意味でしょうか?

ハイレゾ音源はデジタル音源の最高峰

実際の音波の振動を直接レコードに刻み込んで作るのがアナログ音源で、0と1の電気信号に変換したものがデジタル音源です。視覚的にイメージするなら、筆で書いた絵画(アナログ音源)とドット絵(デジタル音源)の違いといったところでしょうか。

ハイレゾは、デジタル音源の中でも最も細かく描かれた部類のドット絵ということになります。

音源のデジタル化は1982年のCD発売の少し前から始まりました。音楽パッケージビジネスの起こりからストリーミングまでの歴史について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ハイレゾ音源の定義はCD以上の「サンプリングレート」&「bit深度」

デジタル音源の音質は、どれだけ細かくデジタル信号化されたか、すなわち情報量の多さで決まります。

ハイレゾを名乗れる音源は、「サンプリングレート」と「ビット深度」というものが、CDの水準を上回っていることが条件となります。

CD音源のサンプリングレートは44.1kHz/sで、bit深度は16bitです。サンプリングレートとbit深度のどちらかがCD以上だとしても、もう一方がCDを下回るとハイレゾとはいえません。

サンプリングレートとビット深度は、以下のようなものです。

単位 意味 影響
サンプリングレート kHz 1秒間に分割している情報の数 音の滑らかさ
ビット深度 bit 分割された情報1つあたりのデータ容量 音の表現力

ちなみに、CDを取り込む際や、ストリーミングサービスで音質を選択する際の単位「ビットレート(kbps)」は、これら「サンプリングレート」と「ビット深度」を掛け算した値で、音質の良さをひとつの指標として表した単位です。数字が大きい方が高音質です。

ハイレゾは高音質な分、データ容量も大きい

当然ながら情報量が多いほどにデータ容量も大きくなります。なので、ハイレゾ音源のデータ量もかなり大きいです。

5分間の音楽1曲が、各音源でどれくらいの容量になるのかを表してみました。

音源 ビットレート データ容量
MP3
(標準音質)
192kbps 7.2MB
CD 1,411kbps 52.9MB
ハイレゾ
(96kHz/24bitの場合)
4,608kbps 168.6MB

重いぞハイレゾ。

ハイレゾ音源のファイル形式の3種類「WAV」「FLAC」「DSD」

ハイレゾ音源のファイル形式は、WAV(ワブ)かFLAC(フラック)が一般的です。拡張子はそれぞれ「.wav」「.flac」です。

これらとは別にDSDというファイル形式で配信されている楽曲もあります。DSD形式の拡張子は「.dsf」もしくは「.dff」です。DSDは、5.6MHzなどの超微細なサンプリングレートに対し、bit深度が1という特徴的な構造をしています。

WAVはXY軸の二次元的なデータの網目の細かさで勝負しています。それに対し、DSDは1秒間に「1」と「0」の一次元的なオンオフの細かさで音を再現するように作られており、アナログの音に非常に近いとも言われています。

DSDは通常のパソコンでは読み取れません。DSD形式のまま再生するには対応するソフトや機器が必要です。

擬似ハイレゾもある


ハイレゾ音源の中には、①元々ハイレゾとしてレコーディングされたものと、②非ハイレゾ音源を後からコンピューター処理によって補完(アップサンプリング)したものの2種類あります。

レコーディング現場自体がデジタルに移行されたのは2000年頃からなので、それ以前の楽曲はほぼ②になります。

一概に②のハイレゾ音源が悪質というわけではなく、劣悪な環境でレコーディングされた過去の音源を、現在の技術で復活させているという良い側面もあります。

ただ、販売サイトにはそのような経緯が細かく記載されていることは稀なので、一口にハイレゾ音源といっても全く同じ作りではないということは留意しておきましょう。

ハイレゾ音源を入手・視聴する方法は?

ハイレゾ音源はその容量の大きさゆえ、既存のCDには入りきらないため、ハイレゾ楽曲を取り扱っている音楽配信サイト経由で購入する必要があります。

ハイレゾ音源を購入できるサイト

ハイレゾ音源は「e-onkyo music」「mora」「HDtracks(洋楽のみ)」などの音楽配信サイトで購入できます。iTunesストアでは現状、ハイレゾ音源の取り扱いは始まっていないようです。

スマホなら「NePLAYER」というアプリがmoraと連携しているので、購入から再生までスマホのみで完結できます。

現在、世の中にリリースされている楽曲は星の数ほどありますが、ハイレゾとして発売されている楽曲はごく一部です。しかしながら、対応機器の普及や低価格化によって徐々に増えつつあります。

無料でハイレゾのサンプル音源をダウンロードできるサイト

無料でハイレゾ音源を視聴してみたい方は、こちらの「お試し用ハイレゾ音源をダウンロード-SONY」から2曲のハイレゾ音源がダウンロードできます。


それぞれ192kbpsの圧縮音源も用意されており、ハイレゾ音源との聴き比べができます。さらに、聴き比べ所も秒単位で解説されています。

パソコンでそのまま再生せず、”ウォークマン”に転送して体感するように念を押されています。PC上のiTunes等で再生しても違いはほとんど分からないでしょう。

ハイレゾ音源の違いが分からない?ハイレゾの真髄を体感する方法

ここまでは、主にハイレゾ音源自体についての説明でした。ここからは、ハイレゾ音源を聴く環境についてのお話になります。

スマホ(iPhone・Andoroid)で聴く場合


最新のiPhone、Andoroidなら、特別な準備をしなくてもハイレゾ音源の再生自体はできますが、ほとんどのスマホ端末は音楽の再生に特化して作られていないので、ハイレゾ音質の格の違いは楽しめません。

スマホで高音質のハイレゾ音源を楽しむためには、DAC(ダック)という機器と、高品質のイヤホンかヘッドホン、またはDAC内蔵スピーカーがあるとベターです。

DACは電子情報であるデジタル信号を、人間が音楽と認識できるアナログ信号に変換する機器で、数千円~数万円程度で買えます。DSD形式の音源を再生する場合は、DSDに対応するDACが必要になります。

通常のスマホにも最初からDACは搭載されていますが、ハイレゾを聴くのに適している性能とは言えません。(ソニー製のXperiaなど一部のスマホはハイレゾ再生を想定したDACを内蔵しています。)

PCで聴く場合


一般的なPCも音楽の再生を目的として作られていないので、やはりDAC無しではハイレゾ音源の恩恵は少ないです。あと普通のノートPCなどは構造上ノイズの塊なので、ハイレゾを楽しむ上での障害となります。

PCでハイレゾを聴く場合もスマホと同様に、DAC&高品質のイヤホンかヘッドホン、またはDAC内蔵スピーカーがあるとベターです。

ハイレゾ対応音楽プレイヤーで聴く場合


音楽プレイヤーはモデルしだいです。ハイレゾ再生を想定したポータブル音楽プレイヤーなら、DACは不要です。SONYのウォークマンなら、基本的にハイレゾを楽しめます。ただし、一定以上のスペックのイヤホンかヘッドホンは必要です。

据え置き型オーディオ機器で聴く場合


部屋に置くタイプのオーディオ機器でハイレゾを聴く場合は、ハイレゾ音源再生対応ハードディスクプレイヤーやスピーカーなどが必要で、イチから揃えると大体20万円~かかります。その分、音は良いです。

実は基準が曖昧な「ハイレゾ対応」という言葉


ハイレゾ音源側に「サンプリングレートとビット深度がCD音源の水準を上回っている」という条件があるように、スピーカーやヘッドホンなどの再生機器にも「ハイレゾ”対応”」という概念があります。

ハイレゾ対応機器の基準となる条件は「40kHz以上の超高域が再生可能なこと」です。ただし、数値をクリアしても良い音とはいえない可能性があるとのことで、最終的には、日本オーディオ協会が「ハイレゾを聴くにふさわしい製品」かどうかをジャッジします。

40kHzまで再生されているかのチェック方法は各メーカーに委ねられているそうです。つまり、どうやってチェックしているかは不明ということです。

「良い音」の定義が難しいとはいえ、この辺りのブラックボックスっぽさも「ハイレゾ商法」という言葉で業界が批判される一因を担っていそうです。

40kHz以上の超高域は必要なのか?

人間の可聴帯域は20Hz~20,000Hz(20kHz)といわれており、CDは20,000Hz(20kHz)以上の高域は製作過程でカットされています。

「ハイレゾは40kHz以上の聞こえない音が出ていても意味ないんじゃないの?」と言いたいところですが、諸説あります。

「超高域まで再生できる性能を備えていることで、人間が聞こえるギリギリのラインの帯域の再生にも余裕があるので音が良い」「聴感上は聞こえていないようで、実は無意識レベルで作用している」など良説あります。

それはさておき、ハイレゾ音源の利点は超高域だけでなく、「解像度の高さ」にもあります。ハイレゾ対応と書かれている商品は、その繊細な音を再生するのにふさわしいと太鼓判を押されている点では、参考材料にはなります。

ハイレゾ再生機器の選び方

イヤホンやスピーカーなどの再生機器のスペック表を見ると「インピーダンス」や「周波数帯域」など、様々な項目が列記されています。ただ、パソコンにおけるCPUやメモリと異なり、数値が音質に直結しているものは少ないです。

こう伝えると身も蓋もありませんが、高い商品の方が音質は良いです。中の振動版などの部品に高価な素材が使われているからです。

ところが、「良い音」の基準は本当に人それぞれなので、高額=良いという図式も単純に成り立たないのも確かです。

ですので、やはり実際に家電量販店などで装着して試してみるのがいいと思います。商品によって強調されている音域に個性があったり、装着感が違ったりします。

自分が聴いてみて「一番良い音」と感じられる再生機器を選ぶことをオススメします。(ただ、数十分経つと違いがよく分からなくなってきます…)

以上でハイレゾの解説は終了し、ここからは私のオススメの「ハイレゾ対応機器」をいくつか紹介していきたいと思います。

おすすめのハイレゾ対応イヤホン3選

まずはオススメのハイレゾ対応イヤホンを3つ紹介します。

【ONKYO】E700M

E700M

E700Mは、昨年創業70周年を迎えた日本の音響機器メーカー「ONKYO」のカナル型イヤホンです。

繊細で素直な音質。軽量で耳が疲れにくく、寝るときに装着していても気にならなそうです。音量を上げると高音がややキツイかもしれません。

  • 発売日:2015年11月中旬
  • 値段 :6,649円~
  • 再生周波数帯域:6Hz~40kHz

【SONY】WI-1000X

WI-1000X

WI-1000Xは、言わずと知れたソニーから2017年今秋発売されたばかりのネックバンドタイプのイヤホンです。有線でもワイヤレスでも使えます。

音質はクッキリしており、中高域のノビが滑らかで心地良いです。ノイズキャンセリングの性能は中程度ですが、ワイヤレスでも良音です。

  • 発売日:2017年10月7日
  • 値段 :31,851円~
  • 再生周波数帯域:3Hz~40kHz

【協和ハーモネット】ZERO BASS ZB-03

ZERO BASS ZB-03

ZERO BASS ZB-03は、京都伏見に本社を置く電子機器メーカー「協和ハーモネット」によるコスパにすぐれたモデルです。

クリアでパワフルな重低音が特徴で、キレがありつつもシャリシャリしません。ケーブルが細いので雑には扱えなさそうです。

  • 発売日:2016年9月中旬
  • 値段 :4,093円~
  • 再生周波数帯域:6Hz~40kHz

おすすめのハイレゾ対応ヘッドホン3選

続いてオススメのハイレゾ対応のヘッドホンを3商品紹介します。

【SONY】WH-1000XM2

WH-1000XM2

WH-1000XM2は、先ほど紹介したイヤホン「WI-1000X」と同時に発売された、ワイヤレス&ノイズキャンセリング機能付きヘッドホンです。

優秀な外音遮断性で、周囲への音漏れも常識的な音量ならほぼ問題ありません。音のバランスは非常に良いのですが、ノイズキャンセリングをオンにすると高域がやや伸びないイメージでした。

  • 発売日:2017年10月7日
  • 値段 :37,578円~
  • 再生周波数帯域:4Hz~40kHz

【audio-technica】Sound Reality ATH-MSR7SE

Sound Reality ATH-MSR7SE

Sound Reality ATH-MSR7SEは、オーディオテクニカの既存ヘッドホン「ATH-MSR7」の、振動版などを改良した限定モデルです。

ネイビーにゴールドの差し色が美麗です。キツくないのにしっくりくる装着感がGOOD。音の分離も良いです。

  • 発売日:2017年10月20日
  • 値段 :37,670円~
  • 再生周波数帯域:5Hz~40kHz

【Panasonic】RP-HD5-K

RP-HD5-K

RP-HD5-Kは、パナソニックによるシンプルな密閉型ヘッドホンです。

音はやや硬質で音が中域に集まっている印象で、ポップス向きな感じです。聴くジャンルによっては低音がもう少し欲しくなります。コスパはかなり良いと思います。

  • 発売日:2015年10月13日
  • 値段 :7,873円~
  • 再生周波数帯域:4Hz~40kHz

おすすめのハイレゾ対応スピーカー3選

最後に、ハイレゾ対応のスピーカーを3つ紹介します。

【KRIPTON】KS-3HQM

KS-3HQM

KRIPTON(クリプトン)は、2005年にビクターから技術者を招聘しスピーカー事業に参入。既存の日本のスピーカーの無個性なイメージを覆す存在として注目を集めている日本メーカーです。

KS-3HQMは、小型ながら音のレンジがとても広いです。ですが、低音はもう少し存在感が欲しいです。もしスペースに余裕があるなら、もう少し大型のものを探した方がいいかもしれません。

  • 発売日:2012年11月28日
  • 値段 :77,500円~
  • 幅x高さx奥行き:87mmx173mmx105mm

【富士通テン】TD-M1

TD-M1

TD-M1は、富士通からラジオ部門が独立して作られた富士通テンによるタマゴ型のスピーカーです。

AirPlay対応で、iPhoneからワイヤレス接続で再生でき、USB接続も可能です。ノイズが少なく、クリアでとてもバランスの良い印象です。

  • 発売日:2012年11月28日
  • 値段 :79,176円~
  • 幅x高さx奥行き:155mmx242mmx219 mm

【YAMAHA】NX-N500

NX-N500

NX-N500は、小型ながら重厚感ある佇まいのYAMAHAのスピーカーです。

クセのない綺麗な音像で且つ、奥行きと温かみも感じられます。

  • 発売日:2015年10月下旬
  • 値段 :73,347円~
  • 幅x高さx奥行き:155mmx242mmx219mm

まとめ:ハイレゾ、実はイイゾ

いかがでしたか?

ハイレゾは違いが分からないという方も多いと思いますが、それは違いが分かるだけの環境が整っていないだけです。

ハイレゾ音源は、ソニー以外のサイトでも試聴できます。また、家電量販店では様々なハイレゾ対応再生機器の試聴できますが、周囲の雑音が気になりそうな方は遮音性のある試聴室を備えた大型店舗がオススメです。

他にも、ハイレゾが体験できるカフェやバーもあります。誰かと一緒にハイレゾ音源を聴いた感想を共有しあうのも面白いかもしれませんね。

音楽の美は、その一瞬の短さにおいて生命に似ている。
三島由紀夫

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