ドコモ回線を使ったドコモ系の格安SIMは、SIMカードをドコモのiPhoneに挿すだけで使えます。ところが、au回線を使ったau系の格安SIMは、SIMカードをauのiPhoneに挿すだけでは使えない場合があります。
同僚に1人、ガジェットヲタクがいるのですが、その人でさえ過去に「auのiPhoneが使えると思って、au系の格安SIMを契約したら非対応で使えなかった」という経験があるそうです。
この記事では、各MVNOの動作確認端末一覧と電話調査を元に作成した「auのiPhoneとau系MVNOの対応表」を公開します。この対応表を見れば、「au系の格安SIMを契約したけど、auのiPhoneで使えなかった」という悲劇を回避できます。
「auのiPhoneでau系格安SIMを使いたい」と考えている方は是非参考にしてください。
なお、以下の記事では、au系のMVNO全8社の料金や特徴を解説・比較しています。
目次
パラメータは「ブランド」「端末モデル」「SIMロック解除」「SIMカード」の4つ(複雑…)
au系の格安SIMは、格安SIMのブランドとiPhoneのモデルによって「SIMカードを挿すだけで使えるもの」と「SIMロック解除が必要なもの」と「動作しないもの」があります。
また、au系の格安SIMには「nano SIM」と「VoLTE SIM」という2種類のSIMカードがあります。VoLTE(ヴォルテ)とは、4G・LTE回線を使った通話のことです。
au系の格安SIMを契約しようと手続きを進めると「nano SIM」か「VoLTE SIM」かを選ばなくてはいけない局面に遭遇し、混乱し、契約を挫折した経験のある方もいると思います。
そこで、「iPhoneのモデル」「SIMロック解除の有無」「SIMカードの種類」の対応表をまとめました。
J:COM MOBILEは「スマホとセットでの契約を前提としているので、auのiPhoneで動くかどうかは確認していません」と言われました。
SIMカードの種類別のiPhone対応表
まずはSIMカードの種類別に、iPhoneの対応状況を見ていきましょう。
表の記号の意味は以下の通りです。
- 「○」:SIMを挿すだけで使える
- 「△」:SIMロック解除が必要
- 「×」:動作しない
「nano SIM」で機能するiPhone端末は以下の表の通りです。
【nano SIM】 | iPhone 8/8 Plus/X |
iPhone 7/7 Plus |
iPhone 6s/6s Plus |
iPhone 6/6 Plus |
iPhone 5s/5c |
---|---|---|---|---|---|
UQモバイル | – | – | – | ○ | ○ |
mineo | – | ○ | ○ | ○ | ○ |
QTmobile | – | ○ | ○ | ○ | ○ |
Fiimo | – | ○ | ○ | ○ | ○ |
IIJmio | ○ | △ | △ | × | × |
Tikimo SIM | 不明 | △ | △ | × | × |
「mineo」や「QTmobile」や「Fiimo」はSIMロック解除をせずにiPhoneを使えます。IIJmioはナノSIMにも関わらず、iPhone 8/8 Plus/Xで動作するようです。
「VoLTE SIM」の場合は以下のようになります。
【VoLTE SIM】 | iPhone 8/8 Plus/X |
iPhone 7/7 Plus |
iPhone 6s/6s Plus |
iPhone 6/6 Plus |
iPhone 5s/5c |
---|---|---|---|---|---|
UQモバイル | ○ | △ | △ | – | – |
BIGLOBE | ○ | △ | △ | – | – |
mineo | ○ | △ | △ | – | – |
QTmobile | ○ | △ | △ | – | – |
Fiimo | ○ | △ | △ | – | – |
「mineo」「QTmobile」「Fiimo」で、iPhone7/7 PlusやiPhone6s/6sを使う場合は、SIMロック解除が面倒なら「nano SIM」を選択して使うこともできます。
iPhone6s/6s Plus以降のiPhoneは、「UQモバイル」「mineo」「QTMbile」「Fiimo」の4ブランドでは「VoLTE SIM」というSIMが推奨されています。これは、iPhone6s/6s Plus以降のiPhoneは、4G・LTE回線で通話をする「VoLTE」という機能を搭載しているからです。
「IIJmio」と「Tikimo SIM」には「VoLTE SIM」はありませんが、VoLTE対応端末に挿せばVoLTE機能は使えます。
端末のSIMロック状況によるiPhoneモデルと使えるSIMカードの対応表
続いて、端末のSIMロック状況から、使える端末とSIMカードの関係を見ていきましょう。
SIMロックがかかっている端末の場合、使えるSIMカードと端末の組み合わせは表の通りです。
iPhone 8/8 Plus/X |
iPhone 7/7 Plus |
iPhone 6s/6s Plus |
iPhone 6/6 Plus |
iPhone 5s/5c |
|
---|---|---|---|---|---|
UQモバイル | VoLTE | – | – | nano | nano |
BIGLOBE | VoLTE | – | – | × | × |
mineo | VoLTE | nano | nano | nano | nano |
QTmobile | VoLTE | nano | nano | nano | nano |
Fiimo | VoLTE | nano | nano | nano | nano |
IIJmio | nano | – | – | × | × |
Tikimo SIM | 不明 | – | – | × | × |
mineoはSIMロックを解除しなくても、使えるモデルが多いです。逆にTikimo SIMはSIMロック解除をしないと使えるモデルが限られています。
SIMロック解除済みの端末の場合、使えるSIMカードと端末の組み合わせは以下のようになります。
iPhone 8/8 Plus/X |
iPhone 7/7 Plus |
iPhone 6s/6s Plus |
iPhone 6/6 Plus |
iPhone 5s/5c |
|
---|---|---|---|---|---|
UQモバイル | VoLTE | VoLTE | VoLTE | nano | nano |
BIGLOBE | VoLTE | VoLTE | VoLTE | × | × |
mineo | VoLTE | VoLTE nano |
VoLTE nano |
nano | nano |
QTmobile | VoLTE | VoLTE nano |
VoLTE nano |
nano | nano |
Fiimo | VoLTE | VoLTE nano |
VoLTE nano |
nano | nano |
IIJmio | nano | nano | nano | × | × |
Tikimo SIM | nano | nano | nano | × | × |
こうしてみると複雑ですね。次の章からは、iPhoneのモデル別に解説をしていきます。
auのiPhone8/8 Plus/Xは主要なブランをドSIMロック解除せずに使える
最新のiPhone8/8/X Plusは主要なブランドをSIMロック解除せずに使えます。Tikimo SIMのみSIMロックの解除が必要かどうか不明です。
iPhone7/7 Plus,6s/6s Plusは基本的にSIMロック解除が必要
iPhone7/7 Plus,6s/6s Plusを使うためには基本的にSIMロック解除が必要です。
例外的に、「mineo」「Fiimo」「QTMobile」はSIMロック解除をしなくてもSIMを挿すだけで使えます。ただし、4G・LTE回線を使って高音質で通話するVoLTEを使いたい場合、「mineo」「Fiimo」「QTMobile」でもSIMロック解除が必要です。
SIMロック解除すれば、au系に限らず世界中のSIMが使えるようになるため、ドコモ系の格安SIMや海外の現地SIMも使えます。
iPhone6/6Plus,5s/5cは「BIGLOBE」「IIJmio」「Tikimo SIM」が使えない
iPhone6/6Plus,5s/5cは、SIMロック解除ができません。BIGLOBE、IIJmio、Tikimo SIMは、iPhone6/6Plusや5s/5cに対応していないので、使うことはできません。
SIMロック解除できないので、もちろんドコモ系の格安SIMも使えません。
iPhone5,4sは動作確認ができていない
iPhone5,4sについては、どのブランドでも動作確認ができていません。SIMを挿しても動く保証はありません。古いauのiPhoneを格安SIMで使うことは難しいようです。
各MVNOの動作確認端末一覧ページ
もしも、au系の格安SIMを契約する場合は、契約する前に各社の動作確認端末一覧で、自分の端末のSIMロック解除が必要か見ておきましょう。
Tikimo SIMとJ:COM MOBILEは、「動作確認端末一覧」がありません。ただ、Tikimo SIMについては、IIJmioがMVNEなので、IIJmioと同じ可能性が高いです。
まとめ:au系の格安SIMは条件が複雑
お伝えしてきたように、auで契約したiPhoneなのに、au系の格安SIMを無条件で使える訳ではありません。
格安SIMのブランドやiPhoneのモデルごとに「SIMカードを挿すだけで使えるもの」と「SIMロック解除が必要なもの」と「動作しないもの」があります。
さらに、mineoやUQモバイルでは、「VoLTE SIM」と「nano SIM」を選択する必要もあるので、ユーザーの頭を使わせる複雑な内容となっています。
これを簡単に読み解ける常人は中々いないと思います。
SIMロック解除さえすれば、ドコモ系の格安SIMも選択肢に入りますので検討してみても良いでしょう。SIMロック解除をしたい方はこちらの記事を参考にして下さい。
ただし、ドコモ系の格安SIMはブランドが多すぎて別の迷路に入り込んでしまう点にだけはお気をつけ下さい。そんな方は下記記事を参考にして下さい。