VR(バーチャル・リアルティー)と聞くと「ゴツいゴーグルを頭に着けてエンジョイしている人」をイメージする人も多いと思います。あのゴーグルは正確には「VRゴーグル」と呼ばれ、現代の技術でVRを体験するには重要なアイテムです。
時代の最先端のVRゴーグルは、既に我々一般人の周りにも出回っています。VRゴーグルには複数のタイプがあり、スマホと組み合わせて使うタイプの安く買えるものから、値段が数万円以上するものまで幅が広いです。
そこで、この記事ではVRの仕組みや搭載されている技術、VRゴーグルの選び方について解説し、2017年時点の最新VRゴーグルをオススメ10製品も紹介していきます。VRゴーグルを選ぶ際の参考にしてしてください。
※この記事の製品は2017年5月時点の情報を元に紹介しています。
VRゴーグルとは?
VRゴーグルとはその名の通り、VRを見るためのゴーグルです。「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」や「VRヘッドセット」等とも呼ばれます。
今や世界中の企業が自社開発のVRゴーグルを発表しているので、様々なVRゴーグルが世の中に出回っています。VRゴーグルによって、性能や楽しめるコンテンツに大きな差があるので、自分の目的に応じたVRゴーグルを選ぶことが大切です。
VRゴーグルを装着したことのないVR未経験者の中には、「重そうだし、カッコ悪い」「リアルな映像観るなら3D映画見に行けばよくない?」と思う人もいるでしょう。
しかし、VRゴーグルは最新技術の結晶です。次の章では、VRゴーグルの仕組みやVRゴーグルに搭載されている最新技術を説明します。
2017年、3D映画やプロジェクションマッピング等、立体映像の技術の進歩により様々なエンターテイメントが進化しています。しかし、VRゴーグルでは、他の技術ではマネできない映像体験が可能なのです。
VRが立体的に見える仕組みとVRゴーグルに搭載されている3つの最新技術
VRはなぜ立体的に3Dに見えるの?VRゴーグルってどんな仕組みでどんな技術が使われているの?と疑問の方も多いと思いますので、解説していきます。
VRゴーグルで3D映像が見える仕組み
まずは、「VRではなぜ映像が立体的に見えるのか?」というメカニズムから説明していきます。
そのカギは「目の仕組み」にあります。実は、左右の目では微妙に違う映像を認識しています。その左右の映像のズレの大きさから、物体までの距離や幅を読み取っているのです。
VRゴーグルはこのメカニズムを利用して、左右それぞれに違う映像を見せることにより、立体感を出し、3D映像を実現しています。
VRゴーグル内の視界に入る全てのものが立体で見えるため、完全に別世界に入り込んだような没入感を感じさせてくれます。
技術①頭の動きを感知する「ヘッドトラッキング機能」
VRゴーグルがこれまでにない仮想体験を生みだすために使われている一つ目の技術は「ヘッドトラッキング機能」です。トラッキングとは追跡、追尾という意味ですが、VR用語では「動きを感知する機能」のことを指します。
VRゴーグルでVR映像を体験すると、頭を動かすだけで上下左右360度、仮想空間を楽しめます。VRゴーグルを装着した人が装置をつけた瞬間キョロキョロするのはこのためで、決して錯乱状態に陥った訳ではありません。
このヘッドトラッキング機能で頭の動きと映像を連動させているのです。仕組みとしては、VRゴーグルに搭載されたセンサーで向きや角度を読み取り、それに合わせた映像を流しています。これにより見る場所によって違う映像を楽しめることができるのです。
技術②体の動きを感知する「ポジショントラッキング機能」
VR空間では、頭だけではなく、自分の体の動きも映像に反映されます。しゃがめば低い位置から見えますし、前後に動けば映像も前後に動きます。これは「ポジショントラッキング機能」という、VRゴーグルの位置を認識する機能により可能になっています。
VRゴーグル以外に部屋にカメラや装置を取り付けることで、VRゴーグルの立体的な位置を把握し、それを映像に反映してくれます。部屋用のセンサーを取り付けるによって「ポジショントラッキング機能」が機能し、よりリアルな仮想体験を楽しめるのです。
技術③視線の動きを感知する「アイトラッキング機能」
VR業界の中でもホットな技術がアイトラッキング機能。視線までが映像に反映され、より細かい仮想空間を体験できるのです。
たとえば仮想空間の中で彼女の目を見つめれば照れてくれるし、彼女が話をしている時に変な所を見ていると怒られちゃいます。「話を聞く時は人の目をちゃんと見なさい」と教えられたのが、こんな所で活きるとは思ってもみませんでしたね。
アイトラッキングにより、VRはリアルに追いつくだけでなく、リアルを超越した体験も可能にしています。シューティングゲームでは、視線によって照準を合わせることができ、光線を発射できます。まるで目からビームが出せるフリーザ様と同じ経験が味わえるんです。
今後アイトラッキングを活用したVRゴーグル・VRコンテンツが増えていくのが楽しみですね。
VRゴーグルの3類型
VRゴーグルは大きく分けると以下の3タイプに分類できます。
- スマホをセットして使う「モバイル型」
- パソコンやゲーム機を使う「ハイエンド型」
- VRゴーグルだけで使う「スタンドアローン型」
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説してきます。
スマホをセットして使う「モバイル型」
「モバイル型」は、VRゴーグルにスマホをセットして使うタイプのVRゴーグルです。
差し込むスマホに動きを感知するジャイロセンサーが搭載していなかったり、CPUの性能が低い場合、VRコンテンツをうまく楽しめないです。
「モバイル型」には以下のメリットとデメリットがあります。
モバイル型のメリット:価格が安く、準備が楽
モバイル型の一番のメリットは、価格の低さです。2,000円~3,000円で買えるものがほとんどで、安いものであれば1,000円以下のものもあります。
本格的なVRゴーグルになればなるほど、接続や設定が複雑になり、実際にVRを体験するまでの準備が面倒になってきます。しかしスマホを使う「モバイル型」のVRゴーグルでは、スマホ上でVRコンテンツをスタートして、ゴーグルにセットするだけなので、簡単にVR体験を楽しめます。
「とりあえずVRというものを体験してみたい」という人であれば、気軽に買えるモバイル型から始めてみるのがいいでしょう。
モバイル型のデメリット:VR没入感が乏しく、長時間のプレイには不向き
お手頃価格のモバイル型VRゴーグルですが、VRの没入感はイマイチです。「別世界に来ちゃった」とまで感じるのは難しいです。VRがどんなものか試す分には問題はありませんが、これでVRを分かった気になるのはもったいないです。
また、VRコンテンツはデータ量が大きく、デバイスにも大きな負荷をかけてしまいます。スマホの場合は最新のハイスペック機種以外は、熱が発生してしまい冷却が済むまでプレイできなくなります。
さらに、データ通信量も大きいので、Wi-Fiを用意しておくなど、通信環境にも気をつける必要があります。
モバイル型VRゴーグルの選び方
ここでは、モバイル型VRゴーグルの選び方を3つご紹介します。
- 選び方①素材で選ぶ
- 選び方②手持ちor固定バンド
- 選び方③操作方法で選ぶ
選び方①素材で選ぶ
モバイル型VRゴーグルの素材は、大きく分けて段ボール製と、プラスチック製があります。
段ボール製は総じて安価な上に軽量なので持ち運びも楽ですが、耐久性に不安があります。対してプラスチック製は、耐久性があり、コントローラーやヘッドホンが付いている製品もあるので、VR体験の幅が広がります。ただ、段ボール製よりは高価です。
選び方②手持ちor固定バンド
段ボール製は基本的に手持ちになりますが、プラスチック製にはVRゴーグルを頭に固定するバンドがついている場合があります。手持ちだと常に手を上げておかなければいけないので、長時間の利用には不向きです。その点、固定バンドは手を使わないので手軽です。バンドの中でもサイズを調整できるものと、ワンサイズのものがあるので、何人かで共有する場合は調整できるものが便利です。
選び方③操作方法で選ぶ
モバイル型でVRを楽しんでいる時に一番イライラするのが、操作のためにいちいちスマホを外さなければいけないところ。しかし、VRゴーグルによっては、タッチパネルがいたり、Bluetoothのリモコンで操作できたりします。多少値は張りますが、快適にVR体験を楽しみたい人は、操作方法も検討の余地ありです。
パソコンやゲーム機を使う「ハイエンド型」
スマホを差し込んで使う「モバイル型」に対して、本格的にVRを体験できるのがパソコンやゲーム機を使う「ハイエンド型」です。PSVRが「ハイエンド型」の代表例です。
ハイエンド型はモバイル型に比べ、良質なVR体験ができますが、その分値段も張り、だいたい5万~8万円ほどが相場となります。VRゴーグル自体の価格は、現在急降下しており、期間限定ではありましたが、Oculus Rift本体とTouchのセットが5万弱で販売されました。ハイエンド型はある程度プレイヤーが出そろったタイミングということもあり、今後は価格競争が始まるのが予想されています。VRゴーグルが普及すればそれだけコンテンツも充実してくるため、価格的にも内容的にもよりVRが身近な存在になってくるでしょう。
「ハイエンド型」のメリットとデメリットは以下の通りです。
ハイエンド型のメリット:体の移動にも対応するので、VR没入感が凄い
スマホを使う「モバイル型」VRゴーグルでは、顔の向きや傾きなどを感知して、映像にも反映されていましたが、自分が歩いたからといって視点の位置も動くわけではありません。しかしPC用のVRゴーグルでは、先ほど説明した「ポジショントラッキング機能」が使えるものが多いです。別途カメラの設置が必要ですが、自分の動きも対応させることもできます。
また、PC用のVRゴーグルはとにかく映像の質が高いです。解像度が高く、処理速度も速いため、スムーズに映像が追い付いてきます。スマホではこの映像のクオリティは味わえません。
ハイエンド型のデメリット:高機能なPC・ゲーム機が必要で、設定が複雑
「ハイエンド型」で気を付けなければならないのは、VRゴーグルだけでなく、PS4やPCも必要な点です。PSVRであれば、PS4も合わせて10万弱で揃えられますが、PCだとさらに費用がかかります。
VRを楽しむにはそれなりにハイスペックなPCを用意する必要があります。しかし、通常のPCではいけません。いわゆるゲーミングPCと言われるようなハイスペックPCを用いてこそ、VR体験を十分に堪能できます。PC用のVRゴーグルはそれ自体も高価格ですが、ゲーミングPCも約10万円~はするので、よっぽどVRに興味がある方でなければ手が出せないかもしれません。
また、VRゴーグルを買ってきて、PCに接続したからといって、それだけでVR体験は楽しめません。設定が必要で、その設定が複雑で難しいことが多いです。場合によっては海外サイトからソフトをインストールしなければいけない場合もあるようです。VRゴーグルに興味があるくらいのITオタクには簡単な話かもしれませんが、手間はかかります。
VRゴーグルだけで使う「スタンドアローン型」
「スタンドアローン型」とは、スマホやパソコンやゲーム機を必要とせず、VRゴーグルだけで使えるタイプです。まだまだ商品自体は多くありませんが、将来はこのスタンドアローン型がVRゴーグルの主流になると言われています。
スタンドアローン型のメリット:快適な使用感
スタンドアローン型はコードを要さないため、足に引っかかることがありません。また、スマホを利用するタイプと違い、デバイスが熱くなって使用が遮られることもありません。他のタイプのデメリットを補ったVRゴーグルと言えます。
スタンドアローン型の価格帯は、ハイエンド型に近く5万円~8万円程度になります。しかし、スタンドアローン型はまだ機種が少なく、今回紹介するものも多くはまだデモを発表している状態です。VRアトラクションなどに卸していても、個人向けへの販売はまだ行っていない場合が多いです。海外のみで販売されている製品に関しては、外国語のサイトで購入しなければならないなどのハードルもあるので、まだ身近な存在とは言えないでしょう。
スタンドアローン型のデメリット:他に比べて少し重い
スタンドアローン型はゴーグル自体にバッテリーやCPUを内蔵しているため、それらを外部に依存している他のVRゴーグルに比べて重量が増えます。しかしバッテリーを後部に配置するなどの工夫で実際に感じる重量感はさほどではありません。
オススメの最新VRゴーグル10製品
これまではVRゴーグルの仕組みや選び方について解説してきましたが、ここからは2017年最新のオススメVRゴーグル10製品を紹介していきます。
- ①【モバイル型】VRブームの影の立役者「ハコスコ タタミ2眼」
- ②【モバイル型】amazonで売り上げナンバーワンのVRゴーグル「VOX PLUS Z3」
- ③【モバイル型】Galaxy S6 / S7シリーズが必要だがコスパの良い「Gear VR」
- ④【ハイエンド型】Facebookが買収したVRブームの火付け役「Oculus」
- ⑤【ハイエンド型】コントローラー付き「HTC Vive」
- ⑥【ハイエンド型】ゲーム機用VRなら日本が誇る「PSVR」
- ⑦【スタンドアローン型】TSUTAYAでレンタルできる「IDEALENS」
- ⑧【スタンドアローン型】軽量化に成功したVRゴーグル「pico neo」
- ⑨【スタンドアローン型】Oculusが発表した「Santa Cruz」
- ⑩【スタンドアローン型】自分の手も仮想現実に映し出す「Project Alloy」
①【モバイル型】VRブームの影の立役者「ハコスコ タタミ2眼」
VRのハードルを下げ、身近な存在にした立役者といってもいい㈱ハコスコ。代表の藤井氏は眼科医、神経科学者という肩書を持ちながらも、VRコンソーシアムの代表理事も務めています。それまで高価で大掛かりな装置が必要だったVRゴーグルを、材料に段ボールを使い、スマホで気軽に使えるアプリを開発することで、誰でも手軽にVR体験をできるようにしました。
「ハコスコ タタミ2眼」は、ハコスコが製造しているVRゴーグルの1つで段ボール製のVRゴーグルの代表作と言える製品です。
安価で持ち運びに便利なことから最も手軽にVRを体験できます。学校の授業などで使われることも多く、VRの普及に大きく貢献しました。段ボールで見た目は地味ですが、公式サイトではオリジナルデザインのVRゴーグルも作れます。
ハコスコは段ボール製以外にも、プラスチック製のモバイルVRゴーグルも販売しています。どれも手軽に使えるものなので、段ボール製に慣れ、もう少し凝ったVR体験がしたいという人はプラスチック製を試してみてはいかがでしょうか。購入はハコスコの公式ページや家電量販店でも簡単に行えますし、Amazonでも取り寄せられます。
②【モバイル型】amazonで売り上げナンバーワンのVRゴーグル「VOX PLUS Z3」
「VOX PLUS Z3」は、1,977円と低価格ながら、収納袋やレンズクロス、レンズのプロテクターまで付いているというお買い得商品。メガネを付けながらでも利用できるのも評価ポイントです。手軽にVRを体験してみたいけど、段ボール製は心許ないという人にうってつけの商品です。
値段はお手頃ですが、性能はそれほど低いわけではありません。右目と左目の幅を調整することも可能で、レンズ幅のズレによるVR酔いも軽減することができます。スマホとレンズとの距離も左右ごとに調整できるので、左右の目で視力が違うという人も、焦点距離を細かく調整できます。少し値は上がりますが、ヘッドホンが一体化されているものもあるので、手軽に音響も楽しみたいという人はそちらもおすすめです。Amazonでも購入できます。
③【モバイル型】Galaxy S6 / S7シリーズが必要だがコスパの良い「Gear VR」
スマホVRゴーグルの中でもその性能の良さが評判になっているゴーグルがあります。それが「Gear VR」。VRブームの立役者ともいえるOculus社がスマホメーカーのSAMSUNGと共同で開発したゴーグルです。そのためスマホはSAMSUNGのGalaxyシリーズしか対応していませんが、PC用のVRゴーグルと遜色ない性能と言われています。価格も1万5000円と現時点で最もコスパのいいVRゴーグルと言えるでしょう。
2017年5月にはコントローラ付きのVRゴーグル「Galaxy Gear VR with Controller」が発表されました。Galaxyの最新シリーズGalaxy Note8用に以前のバージョンよりも若干大きめのサイズで作られており、Galaxy Note8でVRを楽しむには最新のGear VRが必要です。
AndoroidスマホにGoogleアシスタントという音声認識機能がついていますが、VR用にOculusボイスという機能もついています。まだ音声コマンドで操作可能な機能は少ないようですが、より機能が実装されていけば新しいVR体験を生み出す可能性が大いにあります。家電量販店や、Amazonでも購入できます。
④【ハイエンド型】Facebookが買収したVRブームの火付け役「Oculus Lift」
Oculus社は、VRブームの火付け役といっても過言ではないゴーグル「Oculus Lift」を開発した会社です。
2014年にFacebook社が2,340億円でOculus社を買収したことにより世間に知れ渡り、今のVRブームを作り上げたのです。池袋サンシャイン展望台のVRアトラクションで採用されるなど、Oculus LiftはVRゴーグルの代表作とも言えるでしょう。
OculusのVRゴーグルを購入したら必ずお世話になるのが、自社プラットフォーム「Oculus Home」。VRゴーグルやセンサーの設定ができる他、コンテンツの購入から体験までもこのシステムを使って行います。
ゴーグルをつけたままで購入やDLなどの操作もできるため、快適に遊べます。既にコンテンツも200~300ほどあるので、使い飽きることはないと思います。
2016年の販売当初は日本で買うには約10万円もしたOculus Liftですが、その数か月後には8万円を切るほどに値下げしました。そしてVR業界で話題になったのが、2017年7月に行ったサマーセール。期間限定とはいえ50,000円で販売しました。9月にサマーセールは終了したものの、約6万3,000円とセール前よりも値下げを行っております。業界でも代表的な商品の値下げはVRがより身近になったといえる出来事になりました。購入は公式ページからも、Amazonからでも可能です。
⑤【ハイエンド型】コントローラー付き「HTC Vive」
台湾のスマホメーカーであるHTCが開発したVRゴーグルが「HTC Vive」です。「新技術に対して一番乗りで製品化する」という企業理念にのっとりVR業界にも参入しましたが、スマホメーカーならではの開発力が光る製品です。他社とは差別化された位置測定システムを採用しており、移動の多いVRアトラクションでは特に重宝されています。
2017年の夏に新宿歌舞伎町にオープンした、大型VRアトラクション施設「VR ZONE SHINJUKU」の全アトラクションにもHTC Viveが採用されており、その性能の高さを業界に示しました。「VR ZONE SHINJUKU」に行った体験をレポート記事にまとめているので、興味のある方はこちらもどうぞ。
HTC ViveはHTCとアメリカのゲーム会社Valve社の共同開発の賜物です。そのためValve社のプラットフォーム「SteamVR」に対応した作りになっています。このプラットフォームには既に1,200以上のコンテンツが用意されており、コンテンツは他のVRプラットフォームに追随を許しません。
トラッキング機能に強みを持つHTC Viveですが、2018年に発表予定の新型はより高精度なトラッキングが可能になるとのことです。現在のモデルは3m×4m程度の狭い範囲でのトラッキングしかできませんが、トラッキング機能が向上することによって、さらに広範囲での利用が可能になります。現モデルの購入は公式ページからでも、Amazonからでも可能です。
⑥【ハイエンド型】ゲーム機用VRなら日本が誇る「PSVR」
世界でも人気のPlayStationでVRが楽しめる「PSVR」は多くの人が知っていると思います。
プレイするにはPlayStation4が必要ですが、本格的なVRを楽しめます。コントロールやカメラを使えばVR体験の幅も広がります。設定も比較的簡単で、設定したのに実は対応してなかったということが無いのも専用機の強みでしょう。
PSVRで楽しめるVRコンテンツは通常のゲーム同様、PlayStation Networkの中で購入できます。VRコンテンツだけでも80以上揃っています。「鉄拳」や「FF」などPlayStationで人気の高かったシリーズもVRで楽しめるので、ファンにとってはたまりませんね。
PSVRは予約殺到中のため、購入は非常に困難です。ソニーの公式ページでは、オンライン販売の予約日程を随時更新しているため、見逃さないようにチェックしましょう。
⑦【スタンドアローン型】TSUTAYAでレンタルできる「IDEALENS」
中国産のスタンドアローン型VRゴーグルである「IDEALENS」。日本ではC&R(クリークアンドリバー)社がその普及に尽力しています。視線のピントを一瞬で合わせられる独自の技術を利用し、VRに慣れていない人でも容易にVRの世界を楽しめます。いくつかのTSUTAYA店舗では、このVRゴーグルを無料でレンタルしているところもあります。
2017年6月には、解像度をよりアップした「IDEALENS K2+」が発表されました。ディスプレイの解像度が1,200×1,080ドット→2,560×1,440ドットと精細化し、よりリアルなVR体験が可能になります。値段は8万円と低価格が進むVRゴーグル市場では割高になってしまいますが、ケーブルなどを気にせず利用できるのは魅力的です。
IDEALENSの日本での販売はクリーク・アンド・リバー社が行っており、公式ページより問い合わせることができます。
⑧【スタンドアローン型】軽量化に成功したVRゴーグル「pico neo」
pico neo
中国の「Pico Technology」というメーカーが出しているオレンジが眩しいVRゴーグル。スタンドアローン型なのにコントローラーがついている変わったデバイスです。CPUをコントローラーに内蔵することで、VRゴーグル自体の軽量化に成功しています。パソコンに接続して利用することもできるので2通りの使い方が楽しめます。
まだ個人向けの販売は行っておりませんが、新型モデルとして「Neo DKS」も発表されています。画質やバッテリー、処理速度など全体的に改良されています。新型も、スタンドアローン型としてだけでなく、PCにも接続可能なので、コンテンツを拡張することも可能です。
⑨【スタンドアローン型】Oculusが発表した「Santa Cruz」
自由に動きまわれるVRゴーグルとして開発されたSanta Cruz。同社のGearVRとOculus liftの中間に位置する商品といえます。スタンドアローン型にも関わらず、前方に取り付けたカメラで位置トラッキングも行っています。まだ公式サイトも無いようで、日本ではなかなかお目にかかるのは難しいですが、次のVRの潮流を作るデバイスと言えるでしょう。発売が待ち遠しいです。
⑩【スタンドアローン型】自分の手も仮想現実に映し出す「Project Alloy」
Project Alloyは2016年8月にインテルが発表した製品で、まだプロトタイプをイベントなどで発表している状況です。最も画期的な特徴は「RealSenseセンサー」が実装されており、現実世界にある自分の手や障害物なども感知できる点です。
これまではコントローラーなどを持つ必要がありましたが、AlloyではPCもスマホもコントローラーすら必要なくなったのです。まだ、処理速度や発熱、重さなどに課題があり、商品化されるには時間がかかりますが、VRゴーグルの最先端と言えるでしょう。
【参考】MicroSoftがVRゴーグル業界の基準を作る?
WindowsでPCの世界基準を作ったマイクロソフトが今度はVRでの世界基準を作ろうとしています。まだ開発者向けの製品になりますが、実現すればOculus社製並みのハイエンドな製品が、PSVR並みのお手頃価格で手に入る時代が来るかもしれません。
HP, Dell, Lenovo, Asus, AcerなどのPCメーカーとのパートナーシップにより、各社にVRゴーグルを開発してもらうことで、開発コストの削減に成功しています。こちらのVRゴーグルはVRだけでなく、MR(現実空間と仮想空間の融合)にも対応しており、VR上の3Dオブジェクトを現実世界の中で表現することが可能になります。
続々と新型モデルがリリースされるVRゴーグル業界
2016年が「VR元年」と言われただけあって、2017年度はコンテンツだけでなくVRゴーグルの研究もとてつもない勢いで進んでいます。今回紹介したVRゴーグルは今の代表的な製品達ですが、この記事を書いている最中にも新しい技術が組み込まれたVRゴーグルが続々とリリースされています。最新技術の集大成であるVRゴーグルの進化にこれからも目が離せませんね。